話数その3 分からない
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ある物”は音を立てて地面に落ちてしまう。
「何やってんだよあんた……まぁ、投げ渡した俺も悪いか……ほらよ」
今度は投げ渡したりなどせず、ちゃんと手に持って渡そうとした晋だったが、何故だか支取はそれを受け取ろうとしない。
ふと、晋は支取が脂汗をかいている事に気が付き、溜息を吐く。
「何怖がってんだよ……あんた、悪魔でもないのに“十字架”が怖いのか?」
「っ!?」
彼が持っているのは“十字架”の大きなアクセサリーであり、信仰する物は居れど怖がる者はいない筈の代物……なのに支取は、まるで恐ろしいものでも目の当たりにしたかのようになっているのだ。中二病でも拗らせ、悪魔でも演じているのだろうかと思うと、晋が溜息を吐くのも分かる気がする。
「……ほれ、此処に置いとくからもってっとけよ? ……後、会長なら中二病は早いうちに直しとけ。じゃないと、生徒会以外の奴らに知られた時が怖いぜ?」
呆れの苦笑いを浮かべた晋は、そのまま屋上を去って行く。
そしてドアが閉まる度同時に、
「……警戒する必要があるわね……」
自分以外誰も居ない屋上で、支取は静かに呟いた。
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