話数その2 殺せない
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(何で……何で何で何でよ!? 何で……こいつ殺しても死なないのよ!?)
もう数百回は首を切っただろう、腹に穴をあけただろう、身体を吹き飛ばしただろう。……なのに目の前の男は死なない。しかも中途半端に再生している為、見た目が不気味なことこの上ない。と、男は何処からともなく剣を取り出し、ぐるぐる回し始める。
「あ〜……俺の『神器』って便利だろ? 物の出し入れにしか使えないけどな」
男は聞かれてもいないのに話しだした後、人間とは思えない力で剣を投擲してきた。
その剣は少女の肩に思いっきり刺さり、その後爆発して少女の腕を吹き飛ばした。
「あ……が!?」
「爆弾仕込みの剣だ、凄いだろ? これ、自作で自前だぜ?」
「あ―――ああっ!!」
少女は狼狽しながらも光の槍を投擲し、男の肩に突き刺さらせる。直後に、光の爆発という奇怪な現象が起こり、男の腕も吹き飛ばされる。……が、グニュグニュと気持ち悪く断面が蠢いたかと思うと、多少不完全な所がある腕が生えてきた。その不完全な腕も、時間と共に普通の腕へと変化していく。
「おーいてて……腕吹っ飛んだよコレ……如何なってたんだ?」
「あんたこそ――――あんたこそ如何なってんのよっ!?」
「……さぁ?」
答える気がないというよりは、本気で知らんと言った雰囲気のまま答える男に、少女は本来抱く筈の怒りを抱けず、代わりに恐怖が増していった。
「……んでよ」
「あ?」
「死んでよ!? 死んでよ! 早く死になさいよ!? 死ねよあんたぁ!」
「そういわれてもなぁ……っとお」
「がふっ!?」
男は何処からともなく取り出したメイスを槍のように放り投げ、そのメイスは少女の腹に当たり、少女は苦悶の声を上げる。
腹を押さえながら男を怯えた目で見やる少女に、男は呆れた様な視線を向け、呆れた声を投げかける。
「おいおい……たかが“348回殺して死ななかった”ぐらいでそれは無いだろ……。俺から見れば、あんたの光の槍とか空飛ぶ翼とか丈夫な体の方が、怖がるべきもんだと思うけどなぁ……」
348回……こんな回数殺しても死ななければ、幾ら殺しに慣れていても気が狂うだろう。しかも、頭が取れても銃を撃つ、大穴があいても武器を振るう、体半分が削れても欠伸をする……気が狂うどころの騒ぎでは無い。
「いい加減死んでよ――――死ねよ死ねよ死ねよ死ねよ死ねよ死ねよぉ!!?」
「あ〜……うるせぇ……」
鬱陶しそうに耳をふさいだ男は、ふと少女が居る方向とは別の方向を見やり、大きく溜息をついた。
「喜べ、俺はここから居なくなる……つーか去る」
「は?」
「あんたもどっか行け
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