暁 〜小説投稿サイト〜
気まぐれな吹雪
第一章 平凡な日常
1、死は突然にやって来る
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こそ、なんだがな。

「よし分かった」

銀は、メモ帳らしきものにさっと書き込む。

「悪いが、赤ん坊からやり直してもらうぜ。これも転生者の掟なんだ」

「………別に構わないぜ。変なことしなきゃな」

「あ、そうだ。『このキャラと仲良くなりたいから、幼馴染みになりたい』とか『このキャラと近くに住みたい』とかの要望があったら聞くけど」

「いや、特にないが」

ま、“あいつ”だったらやりそうだけどな。

って、何でこのタイミングで“あいつ”を思い出すんだよ。

「オッケー。んじゃ、前世と限りなく近い人生送ってもらうから」

「はぁ!? ふざけんなよ!」

「生きてく上での抵抗は認められてるから安心しろ。まあ尤も、原作に介入するまで記憶は消すけどな」

ふざけんなよ!

また同じ人生を送れって言うのか!?

また大切な人を失う人生を送れって言うのか!?

そんなの真っ平ごめんだ!

「だからさ、抵抗は認められてるからって言ってるじゃん。実際、抵抗の成功率は95%なんだから」

「っっ!!」

「だからさ、今度こそ人生を全うしてみなよ。大切な人を守れる人生に してみなよ」

と、銀はにっこりと笑った。

「要ならできるよ」

その表情は、誰かに似ている気がした。

誰だろう、思い出せない。

何だか、とても大切で、とても大好きだった人のような……。

「行ってらっしゃい」

気付けば、オレの視界は黒で塗りつぶされていた。



†‡†‡†‡†‡†‡



暗い……

オレは……どうしたんだっけ?

極度の眠気が頭を働かせなくする。

どこか、とても安らぐところにふわふわ浮いている感じだった。

と、遠くの方に小さな光が見えた。

自然と体が(そこ)へと引き寄せられていく。

だんだんと光が大きくなってきて――――

『私』は生まれた。

「オギャアオギャア」

「おめでとうございます。可愛らしい元気な女の子ですよ」

「名前はどうしようか」

「名前……。そうね、みんなに『必要』としてもらえるような子に育ってほしいから、要」

「要か。いいね。要、霜月家の長女にふさわしい、立派な子に育ってね」
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