暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
星の咎編
鳳仙花の夜
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なの」

そう言って、濡れてへたっているロングヘアを丁寧に拭き、ティアは去っていった。







「始めんぞーーーーーーーーーーーーっ!」
「ぞー」

風呂から上がり、旅館の浴衣を着たナツとハッピーが枕を持ち、叫ぶ。
ちなみに漫画ではナツはマフラーを巻いていないが、アニメ版では浴衣にマフラーをしている。
・・・まぁ、物語にあまり関係ない話だ。

「何だよ、喧しいな。俺ぁ眠ーんだよ」
「オイ!見ろよ!旅館だぞ旅館!」
「あー・・・なるなる。ナツ、お前の言いたい事はよく解った。面白そうじゃねぇかっ!」

アルカは1人納得し、枕を手に取る。

「旅館の夜っつったら枕殴りだろーが!」
「枕投げだよ」
「殴ってどうすんだ」

グレイとアルカにツッコまれるナツ。

「ふふ・・・質のいい枕は私が全て抑えた。貴様等に勝ち目はないぞ」
「質って・・・」
「寝やすいって事?」

質の良い(らしい)枕を持つエルザ。
ルーシィは呆れ、ルーは首を傾げる。
そして仁義なき枕投げ大会が幕を開ける!

「俺はエルザとティアに勝ーーーーーーーつ!」
「やれやれ」

勢いよく枕を振りかぶるナツ。
それを見たグレイは溜息をつく。

「とう!」
「甘い」
「ぐべぼっ!」

ナツが枕を投げ、それをエルザは跳躍して避け、その後ろにいたグレイの顔面に枕が決まる。

「ナツ、テメェェ!」
「グレイ、お前浴衣まで脱ぐのかよっ!?」
「アルカ!枕パス!」
「お、おうよっ!」

浴衣でもやっぱり脱ぐグレイに驚くアルカにグレイは枕を貰う。

「ぐほっ」
「やるな」

グレイの投げた枕がナツの顔面に当たり、エルザにも枕が当たる。
そして復活したナツは、続いての標的であるティアを見つけた。

「ティアァアアアァ!勝負しろやあああああっ!」

ぶんっと空を切る音と共に枕がティアに向かって投げられる。
・・・が、その枕はティアの体をすり抜けた。

「!?」
「私の身体は水で出来ている。小細工なしの枕なんて通用しないわ」

そう言ってフッと笑う。
そして近くにあった枕を手に取ると・・・

「眠れ!」

凄まじい勢いでぶん投げた。
それはもう凄まじい。残像も見えるかどうかの勢いで・・・というのは少し大げさだが。

「あははははっ」
「ルーシィ、僕達もやろっか」
「うん!あたし達も混ざるかなっ!」

浴衣をまくって参加しようとした2人に、容赦なく枕が直撃する。
しかも顔面に。
あーれー・・・と2人は吹き飛ばされ、倒れた。
そんな事には気にも留めず、ナツ、グレイ、エルザ、アルカ、そして珍しくティアまでもがもう枕投げと呼んでいいのか解らない暴走を繰り広げる。

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