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カンピオーネ!5人”の”神殺し
アウターという存在
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「ほい!じゃああの一帯を抹茶、あの一帯を苺ね!」

 ジョー・ベストが混乱している中、事態は進んでいく。鈴蘭から恐ろしいほどの呪力が迸り、彼女が指差した場所に、ドバドバとシロップがかけられる。

「はい、そこはメロン!そこはレモンにそこにはブルーハワイ!!!ハハハハハ!もっと、もっとかけてあげる!」

 やっている内にテンションが上がってきたらしく、鈴蘭の勢いは収まるところを知らない。
 埋まる。埋もれていく。荒廃したニューヨーク。先ほどまでは白銀で覆われていたその街は、今やカラフルなシロップで水没していた。甘ったるい匂いが周囲一体を覆い尽くしていく。水没するほどの量のシロップは混ざり合い、混沌とした何とも言えない微妙な匂いへと変化していった。

(こ・・・これは・・・!!)

 老体には、この”甘さの局地”とも言える光景と匂いはキツイ。息を吸い込むだけでむせ返りそうになるも、”【聖魔王】様の作った物の匂いを嗅いで吐き気を催す”というのがどれだけの悪印象を相手に与えるかが分からないので、根性で耐えた。

 流石は三賢人の一人というところだろうか(関係ない)。

 しかし、普通の人間には考えもつかないだろう。芯から凍りついたビル群をかき氷に見立てて食べようなどと。
 だが、それが出来るからこその食欲魔人(みーこ)。今現在では彼女に対する記録を所持している組織も少なくはなっているが、それでも、かつて日本中の裏組織に恐れられた【指定一号】がその本性を見せる。

 ゴッ!!!

「な・・・なんだこれは・・・!!?」

 ジョー・ベストが叫ぶのも無理はない。今日のニューヨークは、よくよく色が変わる運命にあるようだ。
 つい今しがた極彩色に染まったその街を、今度は漆黒が埋め尽くす。
 ズルリ、ズルリと這い出てきたそれは、ミミズを超巨大化したかのような化物。

「ワーム・・・いや違う・・・?」

 ダンジョンなどで稀に見ることの出来る下級の魔物によく似ているが、その威圧感はソレとは比べ物にならない。
 ノヅチ。みーこの眷属である。
 街に目を向ければ、そこには口しかなくなっていた。
 西に、東に、北に南に。見渡す限り全てを埋め尽くすような化物の群れ。墨汁を流し込んだかのようなその黒の群れは、瞬く間にニューヨークを喰い尽くす。

 バクバク、ガツガツと。噛み砕き、引き千切り、片っ端から食い尽くしていく。億千万の口は、ほんの数分で全てを平らげた。

「・・・・・・これほどとは・・・・・・!」

 彼女は神殺しではない。アウターと呼ばれる、最上位の魔人であると彼は聞いている。魔人にはあまり詳しくはないが、これほどの力を持つのか、と。彼の背中に冷たい汗が流れた。

「そんな固くならないで大丈夫だよ!
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