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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第九十九話  終焉の地
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ぶと五分ほどでミハマ中佐とともに現れた。ヴァレンシュタインは何時も通りの平静な表情だがミハマ中佐は多少緊張している。
「済まぬな、忙しいであろうに呼び立ててしまった。だが艦橋では話せぬ事なのでな、こちらへ」
ソファーに座る事を進めると
「いえ、構いませんよ。後四日ほどでハイネセンに着きます。私が艦橋に四六時中張り付く必要性は有りません」
と答えながら座った。

「実は今ブラウンシュバイク公と話していたのだが帝国では厄介な事になっているようだ」
「厄介ですか」
ミハマ中佐の表情が曇ったがヴァレンシュタインの表情は少しも変わらない。なんとも可愛げがないというか遣り辛いというか……。

「貴族達が軍事行動を起こそうとしているらしい」
「内乱ですか?」
「いや、同盟に攻め込もうとしているようだ。勝利を得る事によって武威を振りかざし改革を廃止させようとしている。不満を抱く平民達を戦果によって威圧しようとしているようだ」

ミハマ中佐が驚いている。そんな彼女を見てヴァレンシュタインが楽しそうに笑い出した。
「中佐、騙されてはいけません。貴族達が、なんて言っていますがそういう風にし向けたんです。そうでしょう、レムシャイド伯」
ミハマ中佐が益々驚いて私とヴァレンシュタインの顔を交互に見た。ヴァレンシュタインは笑うのを止めない。

「今の帝国軍は再建途上ですからね、邪魔な貴族は私達に殺させる事で無力化しようとしている。まあ強かというか非情というか、ブラウンシュバイク公もやりますね、リヒテンラーデ侯に負けてはいません」
「……その辺にしてくれんか」
「お気に障りましたか、でも褒めているんですよ」
げんなりした。ミハマ中佐が溜息を吐いた。

「そちらの本心を言えば帝国としては邪魔な貴族達を同盟に始末して貰いたい、そういう事ですね?」
ヴァレンシュタインが念を押してきた。ニコニコしている。
「まあ、そうだ」
「ハイネセンに連絡しては如何です?」

「卿はどう思うのだ?」
「基本的に賛成ですよ、説得には協力します」
とりあえず第一関門は突破か、良い兆候なのだろうか、そう思いつつハイネセンのトリューニヒト国防委員長に連絡を取った。

『何用ですかな、レムシャイド伯爵。ヴァレンシュタイン中将、君もか。ん、そちらに居る女性は?』
「ミハマ中佐、私の副官です」
ミハマ中佐が頭を下げるとトリューニヒト国防委員長が頷いた。特に驚いた様な表情は無い、彼もミハマ中佐の事は知っているようだ。

『それで?』
ヴァレンシュタインは何も言わない、帝国政府の案件だ、私から言えという事だろう。今度は言葉を飾らずに話す事にした。
「実は貴族達が同盟に向けて出兵します。兵力は十万隻を超え十五万隻に近いと思います。政府がそういう風にし向けま
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