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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百十二話:福引きを極める
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様子のヘンリーとピエールを無理矢理黙らせて、朝食を済ませて荷物をまとめ、宿を引き払って道具屋に向かいます。

 ヘンリーとピエールには馬車を見つつ離れた場所で待機してもらい、ついでにナンパ男が寄ってこないように警戒にあたってもらって。


「いらっしゃい、今日はどんなご用、で……?」

 人の気配に顔を上げた道具屋のお兄さんが、私を認めてポカンと口を開けて固まります。

「すみません!薬草ひとつ、くださいな!」

 そんな反応にも気付かぬ素振りで、無邪気な笑顔で薬草を。
 最安値の商品を、一つだけ買い求める私。

「……お兄さん?薬草、……切らしてるんですか?」

 反応の無いお兄さんに対して、困ったような、不安そうな顔で問いかける私に、ハッとしたお兄さんが動き出します。

「……あ、ああ!勿論、あるとも!い、今、出すから!ちょっと、ちょっと待って……わ、わわわ!」
「まあ、大変。大丈夫ですか?」

 焦って商品を崩してしまったお兄さんを手伝い、散らばった商品を拾い集めて笑顔で差し出します。

「はい、どうぞ!」
「あ、ありがとう!……あ、ご、ごめん!」

 受け取る時に手が触れてしまい、焦るお兄さんに合わせて、目を伏せて頬を赤らめてみます。

「あ……い、いえ……。大丈夫、です……」
「あ、う、えーと……!そ、そうだ!薬草だったね!はい、どうぞ!あ、そうだ!福引き券、おまけしとくから!」

 真っ赤になってわたわたと手を動かしながらも、なんとか仕事をこなしておまけもしてくれるお兄さん。

 差し出されたおまけに、顔を上げて不思議そうに問いかける私。

「福引き券?って、なんですか?」

 美少女ドーラちゃんに正面から見詰められ、さらに赤くなって焦るお兄さん。

「あ、ああ!宿の地下の福引き所で、福引きができるんだよ!この町で買い物をした人に、サービスで渡してるんだ!」
「まあ、そうなんですね!楽しそう!……なら、もう一つ、買っちゃおうかな……」
「そ、そうかい?お嬢さんなら可愛いから、買ってくれるなら勿論、おまけしちゃうよ!」
「本当ですか!?嬉しい、それじゃ薬草もう一つ、ください!」


 そんなわけで薬草を一つ買うごとにおまけされる福引き券を、嬉しそうに受け取る美少女ドーラちゃんの姿に、お兄さんも大喜びで商売に励んでくださり。
 最初は指が触れるだけで戸惑ってたのに、段々と大胆に手を握られるようになってきたのが気になると言えば気になったが、まあ許容範囲でしょう。

 正当な手段で福引き券を巻き上げる私とデレデレと相好を崩すお兄さんの姿をコドランが複雑な顔で眺め、スラリンはあくまで動じずその場にあり。


 一体どこまでいけるんだろうと面白がって買い続け
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