暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第55話 聖魔剣
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被験者を皆殺しにし、因子を集めて結晶化させました」

 そこで皆は息を呑み、ある者は涙まで流していた。そんな中アーシアが

「なんて……なんて酷いことを……!」

 と言いつつ手で口元を抑える。と、そんな時イリナが何かに気付いたかのように自分の胸を抑えた。

「ウソ……じゃあ私の胸にあるこれも……!」

「それは違うよイリナ。祐斗の同志たちが殺された時に抜き取られた因子は今私の手の中にある結晶で全てらしいわ。教会を追い出された時にすべて持ち出したんですって。でも……イリナも持っているということは彼の研究を引き継いでいる者が教会にいるってことでしょうね」

 それを聞き、ショックを受けるイリナとゼノヴィア。まあ流石に同じように殺して抜き取っているということはないでしょうけど、製法はおそらく一緒でしょうね。

「祐斗、私の持っているこの結晶のうち3個はバルパーが3人の聖剣使いに与えていたのを龍巳が抜き取ってくれたもの、残りの1個はバルパーが使わずに持っていたものよ。さっき言った通りこれらはあなたの同士の人達から抜き取られたもの、受け取りなさい」

 そう言って私は呆然として地に膝をつく祐斗の手に4個の因子の結晶を渡す。祐斗はそれらを受け取ると涙を流し、その胸に掻き抱いた。……その瞬間、結晶から更なる光が発せられた!

「こ、これは!?」

 混乱するように周囲を見回す祐斗。そんな祐斗の周りには何人もの光で構成された少年少女たちがいた。あれが祐斗の同志たちなんでしょうね。その少年少女たちが優しげな表情で何事かを語りかけていた。残念ながら私達には聞こえないけれど、祐斗にはしっかりと届いているみたいね。無言で涙を流しながらも、しきりにうんうんと頷き、少しづつ表情が救われたかのような晴れやかなものへとなっていく。

「皆……」

 そして少年少女たちは口をリズミカルに動かし始める。それに初めに気がついたのはアーシアだった。

「……聖歌?」

 アーシアの言う通り、少年少女たちは聖歌を歌っている。それに合わせて祐斗も歌い始め……驚くべきことにそれに合わせてゼノヴィアやイリナ、そして頭痛を耐えるかのようにして表情を少し歪ませつつもアーシアまでもが歌い出した。

 そして聖歌を歌い終えると同時に少年少女たちは光となり、祐斗の胸に吸い込まれていった。

「ありがとう、皆……。僕たちは……僕たちの心は……ひとつだ」

 そして最後には静かに涙を流す、だけどもうそこに悲壮なものは残らない祐斗だけが残された。







「……で、祐斗。気分はどう?」

「……ありがとう。僕も、そして同志たちもようやく救われた。全部火織さんのおかげだよ。今まで色々とひどいことを言ってすまなかった」

 祐
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