暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第55話 聖魔剣
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 ようやく来た、この時が!

 事情を知っている黒姉達以外がポカンと私を、いえ、私の胸を見つめる中、私は心のなかで安堵していた。今日でエクスカリバーを借りられるのは最後であったわけで、もし反応しなかったらどうしようかと思ったよ。

 私は安堵の溜息が漏れそうになるのをこらえつつ、胸の谷間に手を突っ込む。そして取り出したのは光り輝く4つの結晶。さすがに4個も同時に光るとすごい光量だね。それはもう仕舞っていた胸全体が光っているかのように見えるくらいに。

 そして私がその結晶を取り出した瞬間、これが何なのかを知る2人が驚きの声を上げた!

「なっ!? それは……!?」

「なんで……なんで火織ちゃんがそれを持っているの!?」

「イリナ、あれがなんだか知ってんのか!?」

 疑問に思う皆を代表して問いかけたイッセーに対して、イリナは困惑しつつも答えた。

「えぇ、あれは私達聖剣使いがエクスカリバーを承る際、神の祝福と共に体に入れられる結晶よ。私のここにもあれと同じものが埋められているの」

 そう言ってイリナは自分の胸を指さした。その答えに皆が更に驚いている中、

「神裂火織、貴様一体それをどこで、しかも4つも手に入れた?」

 とゼノヴィアが問いかけてきた。……でも前みたいに睨みつつ殺気を飛ばしてくるようなことはなかった。見た感じ戸惑いのほうが大きいように感じられるわね。この2週間で少しは柔らかくなってきたってことかな? それに信頼関係も築けたかなとも思う。

「少し、昔話でもしましょうか」

「昔話?」

「……昔々、あるところに聖剣が大好きな少年がいました。彼はお伽話に出てくる悪を倒す聖剣が大好きで、自分も将来必ず立派な聖剣使いになるんだと決意していました」

 皆が一体何のことか分からないといった表情を浮かべる中、私は話を続ける。

「しかしながら少年が大人になる頃には嫌でも思い知らされました。自分には聖剣を扱う素養がないと。そこでその者は、自分で扱えないのなら自分の手で聖剣を扱える人間を作ろうと思い、非合法の人体実験にまで手を付けるようになりました。そしてその者は気付いたのです。聖剣を扱うにはそのための因子が必要であり、自分の元にいた被験者たちにもその因子が備わっているということを」

 話の雲行きが怪しくなってきたことで皆が不安そうにし始める中、察しのいい者たちの数人、そして祐斗の顔がもしやと目を見開いた。

「しかしながら聖剣を扱える被験者は誰もいません。それは何故なのか? その者はこう結論づけました。聖剣を扱うには各々の因子が足りないからではないか、と。そして足りないのであれば別の場所から補えばいいのではないかと思ったのです。そして……その者、バルパー・ガリレイは
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