暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
1番のギルド
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ジョゼが魔力を上げると、エルザの拘束が強くなる。
・・・が、エルザは苦しそうな呻き声とは対照的な、挑発的な笑みを浮かべた。

「どっちが上だ下だの騒いでる事自体が嘆かわしい、が、貴様等の情報収集力の無さ、にも・・・呆れる、な・・・」
「何だと?」
「ルーシィは家出、して来た、んだ・・・家の金など、使えるものか・・・」

それを聞いたジョゼは目を見開いた。

「家賃7万の家に住み、私達と同じ、ように、仕事をして・・・共に戦い、共に笑い、共に泣く・・・同じギルドの魔導士だ・・・」

そう言うエルザの脳裏には、ナツ、ハッピー、グレイ、ルー、アルカと笑い合うルーシィの姿が思い浮かぶ。
それをエルザは遠くから眺め、ティアは興味ないと言いたげに頬杖をついて魔法書を読んでいる。

「戦争の引き金だと?ハートフィリアの娘だと?花が咲く場所を選べない様に、子だって親を選べない。貴様に涙を流すルーシィの何が解る!」

エルザの怒りの叫びに対し、ジョゼはうっすらと笑みを浮かべる。

「これから知っていくさ」

シレっと言ってのけるジョゼを、エルザが睨みつける。

「ただで父親に引き渡すと思うか?金がなくなるまで飼い続けてやる。ハートフィリアの財産全ては私の手に渡るのだ」
「おのれぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「力まん方がいい・・・余計に苦しむぞ」

怒りの叫びをあげるエルザに向かって、左手をぐっと握りしめるジョゼ。

「ぐああああああああああっ!」

その握りしめられた左手から、強力な魔力がエルザを襲う。
その空間に彼女の断末魔の叫びが響いた、その時!

「!」

エルザを拘束していた魔法が・・・何の前触れもなく、誰かが触れた訳でもなく、消えた。
ドサッと床に落ちるエルザ。

「魔法が・・・!?誰だ!?」

突然魔法が消えた事に、エルザだけでなくジョゼも驚愕する。
土煙に、1つの人影。

「いくつもの血が流れた・・・子供の血じゃ」

その人物は、ゆっくりと口を開く。

「出来の悪ィ親のせいで、子は痛み涙を流した」

その声を聞いたジョゼは驚愕で目を見開く。

「互いにな・・・」

エルザも目を見開いた。
何故なら、声の主は『ここにはいないはず』なのだから。

「もう十分じゃ・・・」

土煙が晴れ、そこから声の主が姿を現す。







「終わらせねばならん!」






「マスター・・・」

そう。
そこにいたのは彼ら妖精達にとってギルドマスターであり、親であり、家族である・・・マスター・マカロフだった。

「天変地異を望むというのか」

ジョゼの背後で怨霊の様に不気味な魔力が漂う。

「それが家族(ギルド)の為ならば」
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