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SAO−銀ノ月−
第十八話
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、キリトが椅子に座ってこちらをに呼んでいたため、キリトの座っている席に向かったところ、予想外の人物が俺を出迎えた。

「こんにちは、ショウキさん」

 このアインクラッドで知らない者はいないだろう、血盟騎士団副団長の、《閃光》アスナだった。

 事情は飲み込めないが、キリトとアスナの対面の席に座って自らの飲み物をアイテムストレージから出した。

「……で、キリト。何の用だ?」


 俺の質問に若干答えにくそうにしたものの、口を開いた。

「今、俺とアスナはある事件のことを調べているんだ。で、それにちょっと協力を頼みたい」

 この攻略組の中でもレベルが高い主要メンバーである、キリトとアスナが調べていて、更に俺に協力を頼むことがあるような事件。
それ自体には興味はあるが、それよりちょっと興味が出たものがあった。

「……お前、《閃光》といつの間に仲良くなったんだ?」

 しかも、呼び捨てが出来るぐらい。

「べ、別にそんなんじゃありません。ほらキリトくん、早く説明の続き」

 急に早口になってアスナは先を急かし、キリトも「あ、ああ」と良くわからなさそうな顔をしつつ、こっちに顔を向けなおした。

「口外はしないで欲しい。……簡単に言うが《圏内》でボリュームゾーン少し上のプレイヤー、《カインズ》って奴が……PKされた」

 PK。
プレイヤーキルの略であり、意味はもちろん……殺人だ。
殺人自体は、このアインクラッドでは……認めたくはないが、日常茶飯事だ。
 だが、PKされたのが《圏内》と聞くと話は変わる。

 《圏内》。
正式名称は、アンチ……ごめん忘れた。
とにかく、一切のダメージが通らない、安全地帯だと思ってくれれば良い。

「……それで、俺はどんな協力をすれば良いんだ?」

 ことがことなので、いわゆる『仕事モード』になるが、事実上の依頼人であるキリトは苦い顔をしたままだった。

「お前が来るまでに、知恵を拝借しようとヒースクリフを呼んだんだ」

 キリトの答えは大分質問からズレていたが、前置きだろうと黙って聞く。
だが、キリトは二の句をつがず、黙ってしまった。

「そして、私たちが話して出した結論は、『そんなことは有り得ない。未知のスキルを持っていない限り』でした」

 代わりに口を開いたアスナの答えで、俺は、なぜ俺がここに呼ばれたかを理解した
二人が言う未知のスキルを持つ者とは、つまり。

「俺、か……」

 俺の境遇は、別に隠すことでもないが、話すことでもないのでキリトぐらいしか知らない。
それに、ゲーマー諸君の『人のスキルは詮索するのはマナー違反』という謎の不文律に助けられ、俺は《カタナ》と《体術》の上位スキル持ちとなっている。

 ……ま
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