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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第12話:そして廃工場へ
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身体でフェイトを守るように抱きしめた。
地面と接触する寸前、ゲオルグの腕に鋭い痛みと軽い衝撃が走る。

(くうっ・・・)

痛みに顔をしかめながらもゲオルグはフェイトを抱きしめ続けた。
そして2人は絡み合ったまま地面へと落ちる。
慣性によって進み続ける2人の身体は工場の前庭にある花壇によって止められた。

ゲオルグが自分とフェイトの身を狙撃手から隠すように伏せると同時に
鋭い銃撃音が辺りに鳴り響いた。

「ヒルベルトさん! 狙撃手は2階の右から2番目の窓ですっ!」

『判ってる! そのまま伏せてろ!!』

ヒルベルトからの返答と同時にA分隊による一斉射撃が狙撃手のいた窓を襲う。
ゲオルグはフェイトを抱きしめたまま、そのさまを眺めていた。
やがて、狙撃手のいた部屋がボロボロに破壊されたところで、
フェイトが小さく声をあげる。

「ゲオルグ・・・なんで?」

フェイトの表情は先ほどまでの厳しい表情とは異なり、
大きく開かれた目でぼんやりとゲオルグを見ていた。

「なんで・・・か。 ねえフェイト」

フェイトを抱きしめていた手を離し、ゲオルグはフェイトと相対する。

「え?」

ゲオルグに呼びかけられたフェイトはこくんと首を傾げた。

「ゴメン。 先に謝っとくね」

ゲオルグの言葉の意味が判らず、フェイトは先ほどとは反対に首を傾げた。
直後・・・

「・・・いたっ!」

拳を握ったゲオルグの右手がフェイトの頭上に振りおろされ、
フェイトは痛さで思わず声をあげた。
そして目に涙を浮かべながらゲオルグの顔を恨めしげに見る。

「・・・なんでぶつの?」

ゲオルグは俯きがちで、フェイトはその表情をはっきり見ることができず、
覗きこもうとした。
そのとき、ゲオルグが勢いよく顔をあげる。

「なんで叩くのかって!? フェイトが無茶なことをするからじゃない!」

睨みつけるようにフェイトの顔を見ながらゲオルグは叫ぶ。

「フェイトの事情は知ってるからエメロードを許せないのは判るよ。
 でも、そのために自分の安全も省みないっていうのはおかしいよ。
 少なくとも僕はフェイトが怪我したり居なくなったりして欲しくない!」
 
「ゲオルグ・・・どうして、そんなこと・・・」

フェイトは茫然とゲオルグの顔を見ながら、たどたどしい調子で尋ねる。

「だって僕とフェイトは友達だろ? 友達が怪我したりするのを
 みるのはつらいに決まってるじゃないか!?」

口角泡を飛ばして言うゲオルグの両目には涙がにじんでいた。

「だから一人で突っ走らないでよ。 僕もヒルベルトさんもみんな
 エメロードを逃がすつもりなんてない。
 もし今回の作戦でエメロードを捕えられな
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