暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
狂った者達
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肉薄したキリトは躊躇いなく巨剣を振るっていた。
ゴッッッ!!
鈍い音がし、吹き飛ばされる小柄な身体。
レンは空中で翅を広げ、急制動を掛けた。そのまま、両腕を振るう。ちょうどキリトを両側から、ハサミで挟むようにしてワイヤーが振るわれる。
ベキメキ、と空間が震える。
世界を真っ二つにするかと思えるほどの一撃をキリトは無謀にも、巨剣を真横にし、つっかえ棒でもするかのように止めた。
だがその防御方法は剣のキャパシティーを完全に振り切っていたようで、すぐさま艶やかなクロムシルバーのその表面が決して穏やかではない音を立てる。
「切り裂け!」
レンが高らかに叫ぶが、それを無視してキリトは剣を引っこ抜く。すぐさま閉じようとする細きワイヤーのハサミの攻撃範囲外に巧みに躍り出て、再びの接近を試みる。
それをレンは真っ向から受け止めた。
世界から音が消え、そして剥ぎ取られた。
地殻が宙に浮き上がり、眼下の街が崩壊し始める。道という道の舗装にヒビが入り始め、家屋が玩具のように損壊していく。
レンが開けた空間の割れ目が広がり始め、さながらブラックホールのような様相を醸し出す。
目と鼻が付きそうな近距離で、両者は見つめあう。
「さすが、僕の後釜に納まっただけはあるねぇ。いい心意強度だ」
「そりゃどー」
も、とキリトが言う前に、キリトは身体を反転させて己の背後を斬りつけていた。
そこには、システム外スキル《
地走
(
じばし
)
り》を使用し、瞬間移動のように現れ、今にも凶刃を振り下ろそうとしていたレンがいた。
キリトの振るった刃は、そのワイヤーに真っ向から激突した。
再度の衝撃。
央都であるアルンの街は、地震にでもあったかのような光景になってしまっている。あちこちで黒煙が上がり、火の手さえも上がっているという地獄絵図だった。
それを、二人の勇者は無視する。
一瞬でも相手から視線を逸らしたら、絶命すると解っているから。
無視する。
「おあああああああぁあっぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!」
「があああああああぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁっっっっ!!!!!」
渾身の力で、互いを押し合おうとする。
完全に拮抗するその力は、因果律さえも浸食し、自壊させていく。
そんな二人の間にふわりと雪のように舞い落ちる────
白き火の粉。
それが収縮し、爆発した。
アルンの空に、美しい炎の大火が現れる。
その業火の果実の真反対から、炎の尾を引きつつ飛び出す二つの人影。
「………どういうつもりだ、カグラ」
地獄の底から響いてくるようなその声に、巫女服を着たカグラは一瞬肩を震わせるが、すぐさま白く白熱
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