暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜悪夢編
第四十八話 感情がモロ見えなんだよね
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

楽しそうな口調だ、俺を挑発して楽しんでいる、嫌な奴だ。

『いずれ私は皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世陛下を廃するそうです。そして自らが皇帝になるとか、……簒奪ですね。皇族との結婚はその為に必要なのだそうですよ。皇妃にして少しでも簒奪色を薄めるのだそうです』
なるほど、吐き気のする様な話ではあるが有りそうな話だ。しかし最高司令官は楽しそうに話している。馬鹿げた噂を面白がっているのか、それとも俺がどう反応するのかを楽しんでいるのか……。どちらも有りそうだ、性格の悪い奴だからな。

『この件にはミューゼル少将の姉君、グリューネワルト伯爵夫人も協力していると噂されています』
「姉が?」
思いがけない言葉だ。思わず俺が問い掛けるとヴァレンシュタイン最高司令官が頷いた。
『私が皇帝になった暁には彼女は私の元に寵姫として戻るのだとか。皇妃は居ますが所詮は形だけのもの、真の皇妃は伯爵夫人になるだろうと言われています。その為に離婚にも同意したのだと……』

「馬鹿な、姉はそんな事は」
俺が反駁しようとすると最高司令官が笑い声を上げた。
『噂ですよ、所詮は。それがどれ程あてにならないかは少将も理解しているでしょう』
「……」
『ですがその噂が事実となればミューゼル少将はまた寵姫の弟と呼ばれる事になりますね』

最高司令官は楽しそうな笑みを浮かべている。思わず拳を握りしめた。嫌な奴だ、目の前に居たらぶん殴ってやりたい。
『これから少将に多くの貴族、フェザーン人が接触してくると思いますが必ずその事を言うでしょう。憤慨するか、それとも自慢するか、どちらを選ぶかは少将が決めれば良いでしょう。ですがあまり感情的にならない事です、冷静にね……』
「分かっております」

分かっているさ、分かっているとも。これを上手く利用すれば貴族達を油断させる事も引き寄せる事も出来るって事はな。噂もあんたが流したんだろう、この根性悪のロクデナシが。姉上は騙せても俺は騙せんぞ。最高司令官がクスッと笑った。まさか、俺の思いに気付いたのか?

『自由惑星同盟のヘンスロー弁務官と接触しなさい』
「ヘンスロー弁務官ですか?」
反乱軍の動向を探れという事か? 何か動きが有るのだろうか、亡命した貴族達の事だろうか、或いは反乱軍は出兵を考えている?

『ヘンスロー弁務官はアドリアン・ルビンスキーの飼い犬です。餌は酒と女。彼を上手く利用すれば彼からルビンスキーに少将の事が伝わるでしょう。ルビンスキーが少将に関心を持てばフェザーン自治領主府の誰かが少将に接触してくるかもしれない』
「……」

最高司令官が含み笑いを漏らした。ぞっとするような笑いだ、この男は根っからの陰謀家なのだ、誰かを操り陥れる事に喜びを見出している。姉上が離婚した事は正解だった。それなのに何でこんな奴
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ