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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十五話:王子の帰還
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じさんたちに向かい合って、説得を始めてくれました。

「ヘンリー様もお仲間のみなさんも、とてもお強い方たちです。魔物の正体を暴いたあの鏡も、魔物の蔓延る危険な塔から持ち出してきた物。その塔を、私のようなか弱い女を守りながら、踏破してこられたのです。太后陛下もみなさんも私も、絶対にヘンリー様たちが守ってくださいます。無理に逃げようとするよりもここでじっとしていたほうが、絶対に安全です」

 真摯に訴えていたマリアさんがここで一旦言葉を切り、更に柔らかい口調で続けます。

「大丈夫です。みなさんを救うために、苦難を乗り越えて戻って来られたヘンリー様を。邪悪な魔の手から、国民の命をギリギリのところで守ってこられた太后陛下と、国王陛下を。みなさんが戴くこの国の王族の皆様を、信じてください」

 ……天使。
 マリアさん、マジ天使です。

 ああ、こんなに天使なマリアさんの慈愛に満ち満ちているであろう微笑みを、近くにいながら見ることが出来ないだなんて……!

 今すぐマリアさんの正面に回り込んで、今からでも全てを見届けたい。
 でもそんな、マリアさんの身を僅かでも危険に晒すようなことは出来ない。
 なんというジレンマ……!!

 などと思いつつあくまで敵から目を離さず、警戒に徹する私。
 私が見てないものを見届けやがったとか腹立たしい限りですが、ともかく可憐なシスター・マリアさんの説得によっておじさんたちも落ち着き、魔物から距離を取って固まってくれているようです。

 かなり守りやすくなったというか、ヘンリーたちの奮闘によりこっちに敵が抜けてくることは無さそうなんですけど。
 取り乱したおっさんが無茶な逃走を図って云々ということは起こらなそうで、ひと安心ですね!

 あとは、ヘンリーたちが敵を倒してくれるのを待つばかりです!
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