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IS クロス Zero 〜赤き英雄の英雄伝〜
Mission 8  実力の差
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Side --- <ゼロ>

 ズドンっ! と盛大に音を立てて、空から二機のISが落下し、当たりに風と砂を巻き起こす。
煙が晴れ、中から出てきたのは赤と青のIS。戦闘を続行できるような状態では無い。つまり、リンとセシリアのペアの敗北だ。

「はぁはぁ……しっかり狙いなさいよアンタ!」
「はぁ、ふぅ。鈴さんこそ、衝撃砲ばかり撃って!」

 肩で息をしながらボロボロの状態で、互いをいがみ合う二人。
 少し遅れて着地したマヤのISには傷一つなく、息も乱れていない。完全試合だ。代表候補生二人がかり、しかも第二世代一機に対し、試作型とは言え第三世代二機なのにもかかわらず、だ。教員というのは圧倒的だな。

「はぁっ……大体ねぇ、アンタなに面白いぐらいに回避先読まれてるのよ!」
「なっ! 鈴さんだって、無駄に衝撃砲をバカスカと撃って、邪魔なんですのよ!」

 互いのISの装甲が絡み合っている状態でいまだにいがみ合う二人。
それを見てマヤは苦笑いを浮かべている。

「さて、これで教員の実力を理解できただろう?」

 チフユは腕を組んだままで、二人の前まで行き、

「以後は敬意を持って接するように」

 それだけを言い、また隊列へと視線を戻す。

「次に、グループになって演習を行う! リーダーは専用機持ちが担当するように! では、別れろ!」

 そう言うと、教員が待機する席が置かれている場所へと歩き出すチフユ。
静かだった辺りが一気にガヤガヤとし出す。

「デュノアくんの操縦技術みたいなぁ」
「僕はそんなにうまくないよ〜」
「またまたー、専用機に乗ってるんだから、うまくないわけがないでしょ〜」

 途端に女子に囲まれるシャルル。人気者だな。
 男子であるシャルルにもっと人が集まると思ったんだが、意外とセシリアとリンにも集まっているな。まぁ、あの二人にはカリスマ性のような物があるからな。不思議ではない。

「アンリエット君! 操縦教えてー!」
「私も私もー!!」

 まぁ、当然俺にも集まるか……。普段の行動を考えれば容易に想像がつくな。
ホーキとホンネはどこだ?

「ぜろっちー、私にも、てぃーちんぐぷりーず」

 背後から音もなく忍び寄っていたホンネに抱きつかれる。

「抱きつくな本音。ゼロに迷惑だろう」

 即座にホーキがホンネを引き剥がす。
さすが対応が早いな。

「ゼロ、さっさと始めないと時間が無くなるんじゃないか?」

「その通りだな」

 ふむ、装着と歩行練習。
正直、感覚で全てをやっているだけで得意な訳ではないんだが、教えないと千冬が怖いからな。

「とりあえず一列に並んでくれ。一人ずつ、装着と歩行練習を行う。」

 人に何かを教えるのは苦手なん
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