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紅き微熱と黒き蓮華
第一話
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代わりに虚空からドサッ―――と人間らしきものが落ちてきた。

「ミスタ・コルベール。これは、一体?」

突然の出来事に頭の整理が追い付かなかったキュルケはコルベールに尋ねた。

「お、おそらく、人間、亜人の類いだろう。こんなことは初めてだ。信じられん!」

周りではまさか、あのツェルプストーが人間を?等と口々に囁き合っている。それを見てキュルケは羞恥で顔が朱に染まった。

「ですが…」

「えーと君はトライアングルメイジだ。だから…そう!その君が呼び出したのだからさぞかし腕の立つ者だろう。さあ、契約を続けなさい」

コルベールはしどろもどろになりながら落胆するキュルケを励ました。

キュルケは契約の為に仕方なくうつ伏せで意識を失っている黒髪のポニーテールの女性を仰向けにした。
細身ながらもがっしりとしたその体躯にキュルケは認識を改めた。

(まさか、殿方だったとはね。…ってめちゃくちゃ美形だわ!この顔だったら使い魔にするのも悪くないかも)

面食いのキュルケが急に態度を一変させるのも無理はなかった。そこには十人中十人が、美形と答えるであろう整った目鼻立ちをした顔があった。
年齢はキュルケよりも二つか三つ上だろうか。
程無くして彼女は顔から目線を外し、彼の服装を確認しようとした所で彼女はある一点を捉え、目を見開いた。
目線の先には夢で見た十字架と同じものがなんと彼の胸に縫いつけられていたのだ。
似ているとかそういう次元ではなく全く同一の物だ。

(どうして、この人の胸に同じものが?…後で聞いてみないとね)

「コホン」

コルベールがあまりの長さに耐えかねたのか、咳払いをした。
すぐにキュルケはコントラクト・サーヴァントを執り行う。

「我が名はキュルケ・フォン・ツェルプストー。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

ゆっくりと自分の唇を彼の唇にあてがう。

どこかの誰かさんのようにこれが、ファーストキスというわけではないが、彼とのキスは何故か胸が高鳴った。

キスをしたまま、彼の顔を見るとどうやら目を覚ましたようでそんな彼に笑顔を向けた。。

一方、黒髪の彼、神田は自分が置かれている状況に驚いていた

(何が起こってやがる?)

神田はその日、探索部隊と手分けをしてイノセンスを捜索していた。
その際にいかにも怪しい鏡らしきものが宙に浮いているのをを見つけた。
彼はイノセンスだと思い、回収しようと手を伸ばすそうとするとその直前で―――――

「神田殿、イノセンスを発見いたしました」

彼のゴーレムに探索部隊からの連絡が入った。
じゃあこれは何だ?そう思った時には鏡に触れていて、次の瞬間には意識を失った。

そして目を覚ますと
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