暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
驚愕の真実
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精はその目蓋を閉じ、周囲のマップデータにアクセスして移動物体を検出しにかかる。

膨大な量のデータを送受信したくせに、我が愛娘はすぐにぱちっと目を開いた。

だが、その顔はすぐに申し訳なさそうなものに変わり、長い耳を垂れさせて艶やかな黒髪をふるふると横に振った。

「すみません、私がデータを参照できる範囲内に他プレイヤーの反応はありません。いえ、それ以前に、あの村がマップに登録されていないことに私が気付いていれば………」

キリトの右膝の上でしょんぼり項垂れるユイの髪を、リーファがするりと指先で撫でる。

「ううん、ユイちゃんのせいじゃないよ。あの時はあたしが、周辺プレイヤーの索敵を厳重に、なんてお願いしちゃってたから、そんなに気にしないで」

「………ありがとうございます、リーファさん」

潤んだ瞳で言うユイに感化されたか、リーファが満面の笑みとともにじゃれあい始めたのを横目で見ながら、俺ははぁと重いため息をついた。

なんと言うか。思っていたよりも厳しい状況に立たされているのかもしれない、俺達は。

正直、アルヴヘイム・オンラインなどというSAOの後続世代が、あの命懸けのゲームより驚異的だとは思えなかったのだ。いや、思わなかった。

文字通り、HP場の残り残量が命の残りに直結するあの世界に比べたら、この世界はもし死んでも自らの種族の領域(テリトリー)内で復活することができる。

死とは無縁の世界。

無論、それが悪いこととは言わない。ゲームの本質とは、本来そんな物なのだ。

現実の自分の命など心配することなどない、それがゲームという物だ。

それが本来の、正しい姿。

しかし、しかしだ。そんな世界だからこそ、俺はあの世界で培った技術だけで十二分にいけると思っていた。思ってしまっていた。

しかし、それは逆だった。この世界では命の心配をしなくていい、ということはつまるところ出現するモンスターの強さの上限を考えなくても良いということでもある。

それの最たる所が、俺とリーファ、ユイが今現在クーの背に乗せられて移動しているこの超巨大な地底世界、ヨツンヘイムなのである。

ユイが集めてくれた情報から推察してみるに、どうやらさっきから雪原の彼方にちらほら見えている異形の影や、一番最初に落っこちた地点で出会ってしまった多脚型邪神は、一体一体SAOで言うところのフロアボス的な強さを備えているらしい。

SAOですら、五十人近くのレイドパーティーで挑んでやっとのことで勝っていたそれに、たった二人でどうやって勝てというのだ。

それこそまさしく、無理ゲーだ。

クソゲーだ。

そこまで俺が考えた時、ユイとじゃれあっていたリーファがこちらに視線を向けてきた。

「ま、こうなったら、や
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