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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
驚愕の真実
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イヤイヤをする。

それにトドメを刺すかのように、俺は掴んでいた袖を離すと、会話を打ち切るようにぐいっと頭を下げた。

「リーファ、本当にありがとう。君がいなければ、この世界の情報収集だけでも何日も掛かっていたはずだ。たった半日でここまで来られたのは君のおかげだよ。どれだけお礼を言っても足りないくらいだ。これからは────」

そうして、俺は言う。

「俺だけでどうにか()()()を助けに行くよ」

それに返ってきたのは、怒りの声ではなく、耳朶に響き渡るほどに痛い沈黙の時間だった。

言葉を失っているにしてはあまりにも長いそれを不思議に思って顔を上げると、眼前に広がっていたのは目をこぼれんばかりに見開いた風妖精(シルフ)の剣士の端正な顔だった。

半開きになった口許から、声にならない空気が幾つか吐き出される。

やがてその唇から紡ぎ出されたのは────

「お兄……ちゃん…………?」

なるものだった。

その後、背の上で高らかに響き渡った驚愕の叫びに、クーがうるさそうに耳をパタリと閉じて唸り声を上げたことは言うまでもない。
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