デリオラと月の雫
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翌日。
「早ェよ」
「まだめっちゃ朝じゃねぇか」
「あと3時間くらい寝かせて・・・」
「誰のせいで眠れなかったと思ってるのよ!出発よ!出発!猫!起きろ!」
「あい」
結局あの後あまり眠れなかったルーシィは、まだ明らかに眠そうなメンバーを叩き起こし、早い時間に宿屋を出た。
「早いですね。辺りが悪魔だらけじゃ眠れませんでしたか?」
「そうじゃないの。気にしないで」
「月を壊す前に島を少し調査してぇ。開けてくれるか?」
「何!?やっぱり壊すのか!?」
「どうぞ。しかし気を付けてくださいね・・・森の中にある・・・」
何を思い出したのか門番がそう言う、が。
「あ・・・もう行っちゃったよ」
一同はもうかなり先に行っていたのだった。
「何だよォ!昨日あんなに月を壊すのは無理だって言ってたのによォ!」
「そうだよっ!昨日と言ってること違うじゃん!」
「無理だよ。村の人の手前、壊すって言ったんだよ。それに実際壊せるとしても壊さねぇ。月見が出来なくなるだろーが」
「そっか。妖精の尻尾特製月見ステーキもなくなっちまうのか!」
「妖精の尻尾特製月見おでんも!?」
「オイラ、月見塩魚なくなると困るよ!」
何とも的外れな会話をする4人。
「ちょっとアンタ達。何がいるか解らないんだから大声出さないでくれる?」
それをルーシィが注意した。
「・・・と申しております」
・・・時計座の星霊、ホロロギウムに入った状態で。
「自分で歩けよ」
「そんな探検に向いてない格好してくるから・・・」
「お前星霊の使い方、それ・・・あってるの?」
「『だ、だって・・・相手は『呪い』なのよ。実体がないものって怖いじゃない!』・・・と、申しております」
「さすがS級クエスト!燃えてきたぞ!」
「やる気出てきたーーーーっ!」
「呪いなんか凍らせてやる。ビビる事ァねぇ」
怖気づくルーシィと裏腹にやる気満々の3人。
「『ホンット、アンタ等バカね・・・』と申しております」
「ねぇ、オイラも入りたい」
そうしてしばらく歩いていると、ガサガサ、と草が揺れる音が響いた。
「ん?」
「何だ?」
「近づいて来てる」
立ち止まる一同。
そして出てきたのは・・・。
「チュー」
ネズミだった。
黒いキャミソールの様なモノを身に纏い、ヘッドドレスをしたネズミである。
ただし、普通のネズミではない。
「ネズミ!」
「でかーーーーーーっ!」
「何あれーーーーっ!?」
そう。デカいのだ。
「『アンタ達、早くやっつけて!』と申しております」
「『あい』と申しております
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