デリオラと月の雫
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
の雫《ムーンドリップ》を使って、あの地下の悪魔を復活させる気なのよ!」
「何!?」
「あ、そういう事か!」
ルーも解ったのか相づちを打つ。
「バカな・・・絶対氷結は溶けない氷なんだぞ」
「その氷を解かす魔法が月の雫なのよ」
「1つに収束された月の魔力は如何なる魔法をも解除する力を持っているんだ」
「そんな・・・」
「アイツ等・・・デリオラの恐ろしさを知らねぇんだ!」
「この島の人が呪いだと思ってる現象は月の雫の影響だと思うわ」
「そっか。1つに集まった月の魔力は人体をも汚染する。それほどの強力な魔力だもんね」
「アイツ等ァ・・・」
「待って!誰か来たわ!」
「うごっ」
今にも飛び出しそうなナツの首に腕をゴスッとぶつけ止めるルーシィ。
そこに来たのは昼間の3人・・・シェリーとユウカとトビー。それと仮面をつけた1人の男だった。
「くそ・・・昼起きたせい、眠い」
「おおーん」
「結局侵入者も見つからなかったし」
「本当にいたのかよっ!」
昼間に似た会話をするユウカとトビー。
「悲しい事ですわ。零帝様」
どうやら、この仮面をつけた男が零帝らしい。
「昼に侵入者がいた様なのですが・・・取り逃がしてしまいました。こんな私には愛は語れませんね」
「侵入者・・・」
「!」
小さく零帝が呟く。
そしてグレイはその声に敏感に反応した。
「アイツが零帝か!?」
「えらそーな奴ね。変な仮面付けちゃって」
「ティアの嫌いなタイプだよ」
「そっかなぁ。カッコいいぞ」
そんなグレイに対し、4人は零帝に関する感想をそれぞれ述べる。
「デリオラの復活はまだなのか」
「この調子だと今日か明日には・・・と」
「どっちだよ!」
どうやらトビーはキレやすい性格らしい。
「いよいよなのだな・・・」
零帝の口に小さい笑みが浮かぶ。
グレイは変わらず目を見開いていた。
「侵入者の件だが、ここにきて邪魔はされたくないな」
「えぇ」
「この島は外れにある村にしか人はいないはず」
そう言うと零帝は、右手を村のある方に向けた。
「村を消して来い」
「はっ!」
「了解!」
「おおーん!」
その命令にだっと走り出す3人。
それを聞いて、ナツ達は当然慌てる。
「何!?」
「村の人達は関係ないのにっ!ど・・・どうしよう!」
零帝は先ほどと同じように薄い笑みを浮かべる。
「血は好まんのだがな・・・」
その声を聞いたグレイは驚きに目を見開いていた。
「この声・・・オイ・・・ウソだろ・・・?」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ