暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
37話:衝突の果てに
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
にも、プロトWは距離を詰めていく。

「逃げるんだったらアンタも一緒よ!アンタ一人置いていける訳―――」

「いいから言う事聞きやがれ!!」

反論するアリサの言葉にかぶせるように叫ぶ。それを聞いた二人は、体をびくつかせる。
だが叫んだのが体に響いたのか、士は膝を地面につけてしまう。アリサとすずかはそれを見て、慌てて士の体を支える。

「……私達が逃げたら、アンタはどうすんのよ…」
「はぁ…はぁ……なんとか、してみせるさ…」
「ふざけないでよ!そんな体で何ができるかぐらいの常識は、持ってるつもりよ!」

アリサはそういうと、士の肩を支える為に士の腕を自分の首の後ろに回す。

「いい加減にしろ…どこまで俺を苛つかせれば気が済むんだ、貴様らは…」

だが、プロトWはすでに間近まで迫っていた。
それを見たアリサは、意を決したような顔をして担いだ士の腕を下ろし、士とすずかの前に出て、両手を広げる。

「……なんのつもりだ、貴様…」
「アリ、サ…逃げろぉ……」
「ふざけんじゃないわよ……友達がこんなにボロボロになってるのに…見捨てられる訳ないでしょ!!」
「…アリサちゃん……」

前に立つアリサの目には、涙が溜まっていた。すずかもアリサの名前を呟くと、士を支える為に肩に添えている手に力を込める。放さないと言わんばかりに。

「…目障りだ……まずは貴様から、始末してやる…」

そう言ってプロトWは左手で手刀を作り、振りかぶる。
その光景を見たアリサは目をつぶり、すずかも顔を背けて目をつぶる。

(また、守れないのか……くそぉ…!)

士は地面につける手を握りしめ、奥歯を軋ませる。
そしてプロトWの手がアリサに向け振り下ろされる瞬間―――

「ディバイィィィン、バスターーー!!」
「プラズマスマッシャーーー!!」

聞こえてきたのはまた別の声。そして視界に入ったのは桃色と黄色の光。

「なっ―――」

二色の光はプロトWを包み込み、その姿をかき消した。
目をつぶっていた二人はゆっくり目を開けて、状況を確認する。士はすぐに二色の光がやってきた方向へ顔を向ける。

そこにはデバイスの先をこちらに向けた白服の少女―――なのはと、手の平をこちらに向けた金髪の少女―――フェイトが佇んでいた。

 
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ