暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
37話:衝突の果てに
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によって大きく抉られており、その周囲にクモの巣のようにヒビを走らせている。これだけ見ても、爆発の規模が大きかったことがよくわかる。

そして、一つの人影がゆっくりと立ち上がる。

「ぬぅぅ…ディケイドォ…」

それはプロトWの人間体のものだった。
立ち上がったプロトWは、ゆっくりと士の元へ歩いていく。だがその歩き方はすでによれよれで、千鳥足のようになっていた。

「貴様はやはり……消しておくべきだった…」

口調も丁寧なものから、荒々しいものに変わっていた。
歩きながら、左腕を横へ持ち上げると、その左腕だけが怪人体のものに変わる。

「ぐ…くぅ、ぅぅ…!」

それを見て、士も立ち上がろうと腕に力を込めるが、立ち上がれずまた地面に崩れ落ちる。
その間にも士とプロトWの距離は十数メートルまで短くなっていく。士は地面に突っ伏したまま、奥歯を噛み締める。



「士!なんであんたがこんなところに!?」



そんな時、不意に二人ではない別の声が響く。それが意外すぎたのか、プロトWもその動きを止める。
その声の主は二人の横。大体二人の丁度間の場所を平行移動させたところにいた。金に近い茶髪の髪を揺らし、茶色のコートを着た少女。その横には白いヘアバンドをつけた紫髪の少女。あまりにも見覚えがあるその二人の姿に士は目を大きく見開く。

「アリサ…すずか…」

かすれる声でその二人の名前を呟く士。それが聞こえたのか、二人は走って士の元へやってくる。

「どうしたのよ、こんなボロボロになって!」
「大丈夫!?」

地面に突っ伏していた士の体を起こし、仰向けに向きを変える。二人の表情は見るからに悲しみに染まっている。

「なんで…ここに…?」
「それはこっちの台詞よ!というかどうなってんのよ!?街の人は皆消えるし…」
「なんか街の雰囲気も変だし…ってこんなこと士君に聞いてもどうしようもないよ!とにかく士君を病院に…!」

二人が言い合っている間に、士は少し顔を上げて前方を見る。そこには勿論プロトWが、ゆっくりとこちらに歩いてくる。その左腕はやはり禍々しく、士を狙おうとしている。

「お、お前ら…逃げろ…」
「え…?」
「士君?」

どうやら二人はまだプロトWの存在に気づいていないようだった。だが、士の視線を追うようにプロトWを見ると、二人の表情が凍り付いた。

「な、何…あれ…」
「………」

士は体を支えてくれているアリサの肩に手を置いて、体を無理矢理起こす。そしてゆっくりと立ち上がり、右手を二人を守るように後ろに回す。

「逃げろ…」
「逃げろって…アンタは、どうすんのよ…」
「いいから早く…行け…」
「士君……」

ふらつきながらアリサとすずかに言う士。その間
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