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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第24話 「戦争目的、戦略、戦術」
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はワルキューレにプラスしてザ○があるからな、単純に考えても、戦闘機としては二倍の戦力だ。スパルタニアンだけでは不利だ。
 増援艦隊を増やすか……。
 だが狭い回廊内では大軍は自由に動けんか?
 多けりゃ良いってもんでもない。
 ラインハルトに聞いてみようか、いや、ガキに頼っているようじゃダメだな。

「フェザーン回廊を使うか、理由はバカな貴族ということで」

 よし、これでいこう。

 ■軍務省 帝国軍統帥本部長シュタインホフ元帥■

 軍務尚書エーレンベルク元帥と私そして、宇宙艦隊総司令長官ミュッケンベルガー元帥の三名は、顔を付き合わせていた。

「宰相閣下から、増援艦隊は四個艦隊との命が下った」
「四個か、多いな」
「よほど警戒なされているのだろう」
「それとは別に、さらに別の四個艦隊でフェザーン回廊を通り、イゼルローン回廊の出口を塞げとの命もある」
「計八個艦隊の動員か、よくぞそこまでなされる」
「しかし大丈夫なのか、奴らも警戒しよう」
「皇太子殿下には、フェザーンにはバカな貴族をまとめて派遣する事になっているそうだ。そいつらを降ろした後、イゼルローンに向かえとの事だ」
「なるほど、大規模な挟撃かっ!! しかも理由がバカな貴族が駄々をこね、艦隊で送らせたという事にするのか……」
「送るリストを見せてもらったが、連中ならさもやりかねんと思えるところがみそだな」
「イゼルローンに攻め込んでくるというのに、戦力を削ぐような真似をするバカな貴族。しかも自分の見得のためだけに……」
「かつての帝国ならば、あっておかしくない理由よ」
「さぞ叛徒どもも、迷うであろうな」

 ■宰相府 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■

「ラインハルト、戦争目的と戦略と戦術の違いが分かるか?」
「戦争に勝つための作戦と戦闘に勝つための方法の差だろう」

 皇太子殿下がラインハルトとジークを相手に話しています。
 おそらく皇太子殿下は、ラインハルトに話しながら、ご自分の考えを纏めているのでしょう。

「それじゃあ今一、分かりにくいな。それではたとえ話で説明してやろう」
「うむ。聞いてやろう」

 こくんっと頷く、ラインハルト。かわいいー。

「例えば行きたい学校がある。こいつが戦争目的。その為の大事なテストがある。それに受かる事、これが戦略目的だ。そして問題を解く事、これが戦術になる。ところがな、テストの途中で難しい問題に当たる事がある。解くために時間を掛けすぎると、必要な得点が得られなくなるかもしれない。問題は解けるかもしれないが、テストには落ちる。こうなるとどうなる?」
「つまり戦術的には勝利したが、戦略的には敗北。戦争目的は達せられない」
「その通り。そして補給は戦術的に勝利を得るために必要な物
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