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東方虚空伝
第一章   [ 胎 動 ]
七話 不吉の風
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っていた僕たちに第一連隊から報告が入る。そして嫌な予感が当たったことを思い知らされた。
 第二連隊との連絡途絶。その報告を聞いた時僕達の緊張はさらに高まった。とりあえず第一連隊との合流ポイントに向かっていた時、緊急通信が入った。

『こちら第一連隊!妖怪と思わしき者と交戦中!援軍を頼む!』

 それを聞いた美香が飛び出そうとするのをなんとか腕を取り引き止める。

「美香!なにをしてるの!」

「私の能力ならすぐに向こうと合流できるわ!」

 確かに時間を止めてしまえばすぐに着くだろう、美香だけは。僕と同じ事を思ったのか庵さんが、

「お前だけ向こうに行った所でどうする?」

「…少なくとも戦力にはなります。すみません、行かせてもらいます!」

 そう言った瞬間、美香の姿が消えた。

「あの馬鹿たれ!!お前ら!急ぐぞ!」

 号令と共に全速力で飛ぶ。いったい何が起きているのか?全員の思考は不安に染め上げられていた。




□   ■   □   ■   □   ■   □   ■   □   ■




 現場に着いた僕達を待っていたのはもっとも望んでいない光景だった。死屍累々。こう表現するしかなかった。
 少し離れた場所で美香がナニカと戦っている。紅い髪の人型だ。美香が戦闘をしている場所から更に離れた所に鏡真さんが倒れているのが見える。その事に他の隊員は動揺し動きを止めてしまう。
 動いたのは僕と庵さん。それぞれ美香と鏡真さんの所に向かう。
 そいつの拳を受けて吹き飛ばされ地面に倒れた美香にそいつは止めのつもりか拳を振り下ろした。

嫉妬(レヴィアタン)!」

 咄嗟に能力を使う。すると僕の手に刃渡り百二十センチ程、刃幅四センチの先端に向かって細い剣、エストックが現れる。
 美香に意識を集中すると美香の体は僕の方に引っ張られる様に飛んでくる。そして奴の拳は誰も居なくなった地面を粉砕した。
 引き寄せた美香を抱き止めると今度はそいつに意識を向ける。瞬間そいつはまるでバットで殴られた様に吹き飛ばされていった。
 引力と斥力を操る。それがこの剣の力だ。

「美香!大丈夫!」

「ゴホっ、兄さんは…」

「向こうには庵さんが行ってる。とりあえずここを離れ「面白い力だな。」っ!!」

 声の方を向くと吹き飛ばした筈の奴が立っていた。まったくダメージが無いのか?

「そいつらもなかなか面白い力を使ってきたがな。」

 髪と同じ色の双眸でこっちを見ていた。正直に言えばさっきから頭の中で警鐘が鳴っている。すぐにここから逃げろ、と。
 できればそうしたいが今の現状じゃ無理だ。

「さて、お前は俺を満足させてくれるのか?」

 そう言った瞬間すでに目の前に迫
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