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【IS】例えばこんな生活は。
例えばこんな我儘をあいつは許してくれるだろうか
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してやる道理もないが、最悪”中身”には腕の1本や2本無くしてしまう可能性もある。それはちょっとまずいので速攻でケリをつけなければならない。パワーアシスタと脚部のスラスタが歓喜するかのように唸りを上げ、敵も味方も、自分さえも殺しかねない狼と化す。

「あの時の襲撃と同じ愚を犯すのは癪だ。真田(あいつ)が気付いて追いかけてくるまでに、その御大層な羽を?ぎ取って標本にしてやるよ!!」
「La――――――――」

ふと自問する。緊急時のIS展開は許可されているが、果たして今のこれは緊急時だろうか。それとも唯の私情だろうか。
・・・ま、どうでもいっか。私は”私のやりたいように”やればいい、それだけだ。



 = = =



それは例えるならば天使と獣の激突する物語の戦いだった。

圧倒的な攻撃密度と広域射程を誇る「銀の鐘」から同時に発射された36発の高エネルギー弾を人間離れした反応速度で潜り抜けたジェーン。もしあれの一発でも彼女の身体に当たっていれば、絶対防御の恩恵を受けていない彼女は血を流していただろう。逆を言えば、ISの攻撃が直撃しても「血を流す」程度で済むということでもある。

それこそが狼人間(ウールヴヘジン)。人より頑丈で、多少の怪我など気にもせず敵を食らうのが獣のあるべき姿、とでもいうのか。そして獣は決して隙を見逃さない。既にその砲身を福音に向けた「AA-14c」が次々に散弾を吐き出す。遠慮もなく放たれた弾丸が福音の純白の装甲を汚し、衝撃でノックバックする。

「ついでだからこっちも持って行け」

「AA-14c」は銃身が二つある上下二連。下はドラムマガジン式の散弾発射用。そして上のもう一つが通常マガジンのスラッグ弾発射用。扱いにくい代わりにその威力はお墨付き、連射可能な分対ISアーマー用特殊徹甲弾にも劣らぬ凶悪性を秘めているそいつは吸い込まれるように福音の身体を捉える。

巨大なハンマーに身を弾かれたような鈍い衝撃と共に、天使は海へと堕ちていく。が―――

「La――――――――♪」
「チッ・・・戦争屋共め、丈夫に作りすぎだっつーの。あれ一機作るのにいったい幾ら掛かってんだ?」

装甲で防げるダメージは装甲で防ぎ、装甲が破損するレベルのダメージなら表面に薄いエネルギーシールドの膜を張って防ぐ2段構造。全身装甲には比較的よく使われ、かつ安定性の高い防御技術。平均的なISと比べてパイロットの負担が少々大きくなるが、その分戦闘続行能力を保てる。戦場では兵器の信頼性が大きく物を言う点を見るに、軍におあつらえ向きな安定したシステムだ。

AA-14cでは力不足か・・・これでもIS界ではトップクラスの威力を誇る銃なんだが。となれば使えそうなのは「スライサー」か「白狼(はくろう)」か・・・「白狼」はとん
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