第四十六話 狂瀾を既倒に廻らす
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目の前に居たのは碧い機体。その蒼天の翼と白の象徴。明らかに機体の様相は変わっているが、それはフリーダムそのものだった。フリーダムはマーレの放ったバズーカをビームシールドを展開することで防ぎ、その姿を露わにする。
『キサカさん、下がってください!ここは僕が―――』
『すまない。助かったぞ!』
「あの時の屈辱、そして貴様に討たれた仲間の仇―――いつだって貴様はそうやって余裕を見せる!貴様は自分が上だといつも驕っている!神にでもなったつもりだという気か!」
フリーダムの登場。この場において彼らが現れることに不思議などない。かつてのフリーダムそのものが現れれば、彼らを社会的に追い詰めることが出来ただろう。だが、様相の違う機体に乗っていれば、それを追求しようともいくらでも言い逃れができる。故に奴は来たのだ。そう、来ると確信していた。
「だからこそ、俺が相手してやる―――来なッ」
パイロットのキラにその言葉は届かないだろうが、その意思は態度で理解できる。キラの新たな剣―――ストライクフリーダムはマーレのゲルググを撃墜する為に攻撃を開始した。
二挺のビームライフルによって連続して放たれる攻撃。無論、マーレはその攻撃を受けることなどない。スラスターを利用し、躱し、時には反撃する。その反撃も当然フリーダムに防がれるが、お互いにその攻撃は拮抗している様には見えた。
『当たれェ―――!!』
マルチロックオンシステムを作動し、一気にマーレだけでなく周りのザフトの機体を撃ち落とす。
「チッ、始めから俺は眼中にないってか?舐めてるんじゃねえぞッ!」
総ての弾丸を回避したマーレはストライクフリーダムの軌道を読んでビームバズーカを命中させる。キラはそれをビームシールドで防ぐが相手の予想以上の実力に思わず意識を割かざる得ない。
『このパイロット―――!』
前回よりも明らかに動きが良い。いや、そうではない。確実にマーレがフリーダムの動きが読んでいるのだ。
『一体、何なんだ!?』
NT―――SEEDとはまた別の因子による世界の革新者。彼―――マーレは既にその一端に最も早く触れている人間の一人だ。空間認識能力の高さ、先読みとすら思える機動、そして他者の意思の把握。あらゆる面での覚醒が存在する。だが、一端に触れただけでしかないマーレはそれを戦闘技術に生かすことは出来ても、それ以上の何かを成し遂げる事も、そもそもその気もない。第一、NT論などといった新人類としての可能性の示唆すら(ジョージ・グレンのコーディネーターの存在意義の際に説いた話を除いて)一般ではされていないのだから。
「まだだッ!」
フリーダムはレール砲を放ち、ゲルググはシールドによってそれを防ぐが、その衝撃を殺しきることは出来ず、吹き
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