第81話
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生が高校に入学する前は、会話らしい会話はした事がなかったからだ。
学園都市に住んでいるので、会う機会がないというのもあるがそれでも今のように会話する事はなかった。
全てはあの時に始まった。
麻生がまだ星の力に目覚める前の話。
竜也と秋葉と麻生はとあるマンションに住んでいた。
夕方になり、近くの公園で遊んでいるいつまで経っても麻生が帰ってこないのを心配した二人は、近くの公園まで様子を見に行った。
公園に行くと、地面に倒れている麻生の姿が目に入った。
二人は急いで麻生に駆け寄った。
何があったかは分からなかった。
どんなに呼びかけても麻生が目覚める事はなかった。
さらに、黒髪だった麻生の髪が真っ白な白髪に変わっていたのだ。
竜也は必死に麻生の名前を呼び、秋葉も涙を流しながら麻生の名前を呼んでいた。
救急車に連絡して、近くの病院に運ばれた。
先程まで黒髪だったのが白髪になったのだ。
医者も新種の病気なのかと、疑いながら麻生の身体をくまなく検査した。
しかし、病原菌おろか身体はどこも異常がなかった。
一応、何が起こるかは分からないので入院する事になった。
竜也と秋葉はずっと麻生の側にいた。
数日経つと、麻生は目を覚ました。
二人は麻生が目を覚ました事に喜んだ。
だが、麻生の顔を見てその喜びが消えていった。
目が死んでいたのだ。
どんなに麻生の名前を呼んでも全く反応しなかった。
目は死んだ魚の目のような感じで、瞳は感情と言ったモノが一切見受けられなかった。
すぐに医者を呼んで、身体検査をしてもらったが、どこも異常はなかった。
医者は二人にこう言った。
「おそらくですが、恭介君は今までにない強烈な精神障害に陥ってるかと思われます。
髪が白くなったのもそのせいでしょう。
これに関してはカウセリングなどをして、ケアしていくしか方法はありません。」
そこから数週間にかけてカウセリングをしたが一向に進展はしなかった。
秋葉や竜也が側についていないと、麻生は何もしなかった。
食事も秋葉が口元に運ばないと、食べてくれなかった。
それでも口元に運べば食べてくれるだけでましだった。
そうでなければ、点滴で栄養剤をうつ羽目になる。
そんな植物人間のような状態にしたくなかった。
竜也が麻生の手を取り、引っ張れば何とか歩いてはくれる。
いつかきっと治ると思っていた二人だが、治る気配がしなかった。
二人は話し合った結果、麻生を学園都市に連れて行く事にした。
学園都市の内部の技術は、「外」に比べて遥かに進んでいる。
もしかしたら麻生を心を治療する技術が存在するかもしれない。
学園都市を訪れ、病院の医者に麻生を診察してもらった。
その時のカエル顔をした医者は入院させて様子を
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