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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
五十五話:初めての美女タイム
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ましょう」
「……ありがとうございます!ドーラさん!」
「……恩に着る!」

 マリアさんとヨシュアさんの兄妹が、顔を輝かせます。
 美形兄妹の、輝く笑顔!
 うむ、眼福、眼福!

 ここからは信頼を示すために、私も笑顔を以て接することにします。

「お礼を言うのは、こちらのほうです。私たちを選んでいただいて、ありがとうございます」

 にっこりと微笑みながら言う私に、美形兄妹の顔が赤くなります。

 ……お?
 ……これは!

 マリアさんだけでなく、ヨシュアさんも、脈ありだね!
 良かった、私、女としても、ちゃんとアリなんだね!!

 と、いうのも、早々にイケメン美女に目覚めた弊害で、お姉様方のガードが、大変にきつく……。
 腐ったカップリング的に、ヘンリーとは許せても、他は有り得なかったらしく……。
 ヘンリーはヘンリーで犯罪防止(ロリ的な意味で)に燃えてたのかなんなのか、保護者気取りで、こっちもがっちりガードしてくれやがりまして。
 恋愛対象になりそうな若い男性との接触が、最低限というか、ほぼ皆無だったんですよね!
 別にここで婚活する気は無かったからまあいいとは言え、それなりにコミュニケーションの場数は踏んどきたかったのに!

 とは言え近付けないなりに遠くから、それっぽい視線は感じてたので、本気で無いかもと心配してたわけでは無いけれども。
 ちゃんと女扱いされて、好意を実感するというのは、いいものだね!
 しかも相手は、なかなか素敵な人だし!

 と、気分が浮き上がるのに任せて、やや演技入ってた笑顔が本気の笑顔に変わり、ますます赤くなるヨシュアさん。

 さっさと話進めないといけないんだろうけど、折角だから!
 もうちょっと!もうちょっとだけ!

 と、にこにこというか気分的にはニヤニヤみたいな感じになってると、ヘンリーが割り込んできました。

 ……ちっ!
 また保護者気取りか!

「時間が無いんだろ?行くなら、さっさと行こう」

 ヨシュアさんが、はっと我に帰ります。

 あー、初めての美女扱いタイムがー。
 もう、終了してしまった。

「そうだな、すまない。こっちだ」

 牢の鍵を開け、先導してくれるヨシュアさん。

 と、バタバタと誰かの走ってくる足音が聞こえてきます。

「な……!人払いはしてあるはずなのに!」
「なに?どうすんだ」
「間に合わない!一旦戻ってくれ!」

 と、慌ただしく牢内に押し戻される私たち。
 こんなときすらガードされて、ヨシュアさんの手は触れもしませんでしたけれども。
 いいけど、別に。

 なんとか体裁を整えたところで、駆け込んでくる魔物(人間に擬態)。

 ヨシュアさんが声を荒げます。
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