暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第42話 花の都へ
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も微笑んでいた。最後には……皆が顔を見せ合って笑い合い、少し遅れて互いに朝の挨拶を言っていた。

 そして1階へ降り、47層≪思い出の丘≫挑戦に向けてしっかりと朝食を摂ってから表の通りに出てみると。

 朝日が、陽光が街を包んでいた。

 これから冒険に出かける昼型プレイヤーと、逆に深夜の狩りから戻ってきた夜型のプレイヤーが対照的な表情で行き交っている。宿屋の隣で必要な消耗品を購入し、3人は転移門広場へと向かった。シリカにとって幸いだったのが、朝早かった事で、いつもの勧誘組には出会わずに転移門へと到着する事ができ事だった。今のこのパーティでいる時間を大切にしたいから、昨日の様な事はごめんだったのだ。

 そして、青く光る転送空間に飛び込もうとして、シリカははたと足を止める。

「あっ……あたし、47層の町の名前、知らないや………」

 恥ずかしそうに頭を掻くシリカ。慌ててマップを呼び出して、確認しようとした時だ、キリトが右手を差し出してきた。

「いいよ。オレが指定するから」

 それを訊いて、シリカは恐縮し、少し照れながら キリトのその手を握った。

「………」

 この時リュウキは 少し2人から離れていた。
 腕を組んでいたから……自分から手を繋ぐ事は無いのだろう。これも多分、いや 間違いなく、恥かしいのだと、シリカは思った。
 女の子だから、そう言う心の機微はよく判るんだ。でもきっと、そう聞いても、リュウキは否定するとも思えた。

 だから、ここで取る行動は1つしかないと、シリカは判断する。

 シリカは、キリトの方を見て そして、リュウキの方を次に見て手を差し出した。キリトが自分にしてくれた様に。

「リュウキさんっ!」

 シリカはあいた方の手をリュウキのほうに伸ばしたのだ。その表情は弾けんばかりの笑顔だ。……もう、言葉に出さなくても判る。

『一緒に行きましょうっ!』

 シリカのその表情を見ているだけで、そう伝わってくるのだ。

「…………。ああ、判った」

 リュウキは、言われた最初こそ、少し戸惑っていたが。その伸ばされた手を掴んだのだった。
 

 シリカは、握った事を実感しながら考える。
リュウキのその手は、やっぱり思った通りあまり大きくない。どういえば良いのか、そう、手に馴染む感じがするのだ。

(―――……キリトさんの手の方は……自分にはいないけれどお兄ちゃん……? リュウキさんは……、とても失礼だと思うけど、何だかお友達、違う、かな。……とても頼れる幼馴染……? みたいな感じ。……でも素直じゃなくて……えへ……なんだか、良いなぁ……)

 シリカは、幸せを噛みしめる様に笑っていた。

「……おい、早くしろ。キリト」

 リュウキは、シ
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