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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―もう一つの可能性―
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 デュエルをした後に唐突に倒れる。そんな闇のデュエルのような症状が、今回俺を襲った症状である。 

 別の場所から調べていたジムも、様々なことがあった結果剣山とデュエルになり、そのまま倒れてしまったらしい。俺は明日香に、ジムはその場に居合わせた十代に、保健室に運び込まれて何とか一命を取り留めた。

 だが、倒れた原因は闇のデュエルと同じように原因不明……強いて言えば俺が味わったように、『全身から体力が抜けたよう』な状態になっていたらしい。俺と剣山、そしてジムは保健室での生活を余儀なくされてしまい、しかもジムと剣山は寝たきりの状態だった。

 森の奥に、何か調べられては困るものでも置いてあるのだろうか。オブライエンに聞いても何も言わないらしく、この事件はそのまま監査委員会の調査待ちとなってしまうのだった……


 そして少し経ったある日、俺は保健室の生活から脱却することに成功した。まだ保健室にいるジムと剣山には悪いが、これはデュエルで倒れた率の年期の違い、といったところだろうか。

 ……まあ、明日香とレイの若干過剰な看病のおかげ、なのかも知れないけれど。スタミナが付くお弁当のような物を作って来てくれたものの、その味については……彼女たちの名誉の為にも言わないでおこう。

 そして久方ぶりに訪れた自室にて、俺は一枚の手紙を渡されることになった。

 差出人はアモンで、文面は……オベリスク・ブルーのパーティー会場での、パーティーへのお誘いだった。謎の失神する事件で暗くなりがちの為、改めて親睦を深めるために、パーティーをしながら皆でデス・デュエルをしよう……というのが、大体の内容だった。

 そのパーティーを特に断る理由のなかった俺は、明日香にレイ、そしてマルタンを伴ってアモンのパーティーへと行くことにした。……心配をかけさせてしまった、彼女たちへのお詫びにもなると思って。



『皆様、今回は僕が主催する――』

 晩飯を兼ねたバイキングを楽しんでる最中、アモンのスピーチが会場へと響き渡った。社交辞令も兼ねた言葉と、デュエル大会の開催を宣言するのが大体の内容だったが……優勝者に送られるという、黄金のデュエルディスクというのは、果てしなく趣味が悪い。

『――では、心置きなくデュエルを楽しんで言って下さい』

 そんな結びの言葉とともに、アモンはそのまま会場から出て行ってしまう。彼自身は参加しないようで、もう一度デュエルしたいと思っていた身としては、それは少し残念だった。

「ねぇ遊矢様、デュエルしようよ!」

「……様は止めろ、レイ」

 いつまで経っても言うことを聞かないレイに、若干ため息をつきながら応対する。……もう言われ慣れすぎて、一種の通過儀礼となってしまっているが。

「あの、レイち
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