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【新約】魔導循環〜Magical circulation〜
Π?μπτο ιστορ?α /ν?χτα
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 オートマトン。

 それが、《僕》という存在を説明するたった一つの言葉だ。

 僕はオートマトンの内の一機でしかないし、外見はいかに人間に似ていても、その正体は人ならざる人形――――

 感情も、肉体も、何もかもが模倣。

 そう。僕が自分の(マスター)に向ける、この温かい愛おしさも。



 ***


 
 新暦1300年現在で、オートマトンの開発技術は格段に上がった。

 《新魔術師》と呼ばれる、《人工魔術回路》によって誕生した新時代の魔術師たちが、過去の《旧魔術師》達が禁忌として忌避してきた《機械技術と魔術の融合》を研究のメインに進め、未開であったその技術を会得した。

 その結果、生み出されたのが《オートマトン》。

 《傀儡術》と呼ばれる技術を応用し、誕生した《機巧魔術》。ホムンクルスやゴーレムとは似て非なる存在を作り出すその技術が、オートマトンを作り出している。オートマトンには心臓の代わりに《アヴィケヴロン》と呼ばれる炉心が搭載され、感情を模倣し、蓄積していく学習プログラムも開発された。

 初期の頃、人型オートマトンには基本的な《ファイター》型と《ノンファイター》型の二種類しかいなかった。オートマトンと言えば機械的な存在で、ゴーレムと大差ないものであった。

 現在では始祖とあがめられる《アルバート初号機》および《アリス初号機》によって培われた技術は、後の世の《ナイト》をはじめとするオートマトンたちに引き継がれている。

 既に《アルバート》《アリス》および同系列骨格型の人型オートマトンは生産をストップし、それらの技術は新型のオートマトンへと受け継がれている。

 アヴィケヴロンシステムも年々新たな技術が開発されて、今や過去の《炉心》とはかけ離れた、どこかサイバーチックな外見となっている。

 
 オートマトンにはアヴィケヴロンのほかに、やはり人口魔術回路が備えられている。これには《魔術基盤》といういわば《体外魔術回路》と同じ役割を果たすものが刻み込まれており、それがそのオートマトンに使えるたった一つの魔術となるのだ。

 とはいっても、その魔術は魔術の方向性を少しばかり固めるものであり、中には強力な複数属性を操るオートマトンもいるという。

 さらに、人口魔術回路に頼って魔術を使う《新魔術師》達の弱点である《使える魔術が偏っている》という問題もこれで解決できる。どのオートマトンにも《完全神導体》と呼ばれる、《魔術基盤に刻まれた魔術をつながっている相手にも使用できるようにする》という術が施されているのだ。

 
 さて、今や一般市民にも流通したオートマトン。メイド型や執事型、家政婦(夫)型をはじめとする非戦闘系から、《ナイト》《ウォーリア》《バーサーカー》《ガ
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