暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
マザーズロザリオ編
episode6 影の協力者の名
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えますよ?」

 悪戯っぽく、微笑んでみせた。





 「ぬあー……量、多いですよ、牡丹さん……」
 「減った分の体重を取り戻すためです。きちんと食べてください」

 食卓の上に並んだ、到底男の一人暮らし、牡丹さんを入れても二人分のはずの料理は、どうみてもそうとは思えない分量が盛りまくられていた。それもこれも。

 「蒼夜様からお叱りを頂きました。『神月』がついていながら栄養不良とは何事か、と」
 「……いや、あれは俺がダイブしまくってたせいで、」
 「いいえ。主人の体調の管理を怠るなど、『神月』の恥、本来なら腹を切るべき所業です」
 「……いえ、頼むから腹は切らんで下さい」
 「そういってくださる優しい主人の為に、私が今まで以上にしっかりと全てを管理すると決めたのです。具体的には、栄養、休息、運動、きっちりと把握いたします」

 あれ以来、ちょっと怖いレベルで厳しくなった牡丹さんのおかげだった。その厳しさは、三月に突入した今になってもまだ収まる様子を見せてはくれない。

 なんでも蒼夜伯母さんから言われた小言が相当に堪えたらしく、俺の監視がおっそろしく激しい。家を出た時は勿論、最近は家に居ても何やらどこかから視線を感じるような気がする。ピンホールカメラでも仕込んであるのか?

 一日中続く監視の目は、他の『神月』を使っているならいいのだが、もし一人でやっているのなら彼女の生活のほうがよっぽど心配だ。彼女の労働時間的にも、迷惑防止条例的にも。やれやれ、俺のユウキへのストーカー行為はここまでいかずに済んで良かったよ。

 「でも、その、」
 「でももへちまもありません。これからはきっちり、」

 俺が必死に逃げようとした、その時。

 ―――ヴヴヴヴ、ヴヴヴヴ

 俺のポケットの携帯電話が響いて、見慣れない番号を示し。

 「はい?」
 『シエル様、リュウです。お知らせします』

 訝しんで通話に出た俺に、

 『紺野木綿季の病状に、変化がありました』

 不吉な言葉が響いた。


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