暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
マザーズロザリオ編
episode6 影の協力者の名
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うだ、SAO時代もあったな、こんな空気。美人の顔ってのは随分と迫力があるもんだったな。こんなに笑顔が怖いと思ったのは初めてだな。出来ればもう二度と味わいたくないし、今後も勘弁してほしい。

 「……シウネーさん、怒ってます?」
 「いいえ? とても感謝してますよ? 小一時間ほどお礼を言いたいくらいに」
 「……出来れば遠慮したく……」
 「お礼ですから、そんなこと言わずに」

 やっぱり相当に頭に来ているらしい。逃げられそうには、ないか。
 大きく溜め息をつく。だってそれしかできないじゃないか。やれやれ。

 「……聞いたんですよ。キリトさんから、全部。シドさんのことも、……SAOでのことも」
 「……そっすか。まあ、いいですけど」

 勿論よくない。許すつもりなど毛頭ない。覚えてやがれキリト。

 「似ているんですか? ユウキは、その方に」
 「……いんや。そういうわけじゃねえーよ。でも……」
 「重ねたんですよね?」
 「……そーですよ。……失礼極まりないことに、ね」

 下で広がるデュエル会場を舞う、黒髪の少女を見つめる。
 本当に楽しそうに剣を振い、満面の笑みで飛ぶ、闇妖精(インプ)の少女。

 その、見る者を自然と笑顔にする才能を持つ姿。
 遠い昔に誰より傍でその笑顔を見つめた人と、同じ才能。

 「……そうですか。……ユウキには、そのことを?」
 「言ってないですよ。だいたいどう言うンすか。『前の彼女に似てるから助けたいんだー』なんて完全な変質者ですし。……伝えても、何の意味もないし、…もう、時間もないでしょ」
 「……っ!」

 分かってるんだよ、シウネーさん。

 俺は、見つめる先のユウキがどんどん……どんどん、透明になっていっているその感覚を、直感で感じていた。それは、ソラと同じ、透き通るような美しさと儚さのある、透明感。間近に迫る、避けることのできない別れを感じさせるその感覚を、姿を、見ていたから。

 そんな俺の目に、何を感じたのか。

 「シドさん。シドさんの思いは、きっと私でも半分も理解できていないのでしょうね」

 シウネーさんは。

 「それでも、私は。私たちは、とてもシドさんに助けて頂きました。とてもとても、返しきれない位の恩を貰いました。たとえそこに私たちの知らない思いがあったとしても、私たちが助けて貰ったことには変わりはありません。私達がこのALOで最高の仲間と出会えて、最高の思い出を作れたのは、間違いなく、貴方のおかげでしたよ。だから、」

 真っ直ぐに、こちらを見つめて。

 「あっちで必ずその人に、私がちゃんと伝えておきます。貴方の旦那さんは、とてもすばらしい方でしたよ、って。名前を知らなくても、顔を知らなくても、必ず見つけて、伝
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