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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第7話:過去に向き合うということ
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ニヤッと笑いながら冗談めかして言うヒルベルトであったが、
言われた方は冗談とは受け取らなかった。
ヒルベルトが言い終わるや否や、ゲオルグの顔はスッと青ざめその眼からは
色が失われる。

「そう・・・ですよね」

ゲオルグは小さな声でそう言うと肩を落としてうつむく。

「分隊長?」

そんなゲオルグの様子に、隣に立っていたクリーグが気付いた。

「分隊長! ヒルベルト2尉は冗談で言っただけですよ。
 別に分隊長の過去を責めてるわけじゃないですから」

「ええ、わかってますよ・・・」

そう言って小さく頷くゲオルグであったが、その言葉とは裏腹に
肩を落としたまま部屋の出口へと歩いていく。
ゲオルグが扉の前に立ったとき、不意に扉が開いた。

「ヒルベルトとシュミットとハラオウンは・・・っと」

部屋に入ろうとしたミュンツァーは扉の側に立っていたゲオルグと出くわし
衝突を回避するべくたたらを踏む。
そんなミュンツァーに気付いているのかいないのか、ゲオルグはミュンツァーの
脇を抜けて部屋を後にしようとする。

「ちょっと待て。 研究所で何があったか訊きたいから会議室まで来い」

ミュンツァーがそう言ってゲオルグの肩をつかむと、ゲオルグは足を止めた。

「・・・すいません。 少しだけ休ませてください」

ゲオルグは小さくそう言うと、ミュンツァーの手を払いのけて自室のほうへと
歩いて行った。
残されたミュンツァーは唖然としてその背中を見送ると、
部屋の中に居る他の3人の顔を順番に見た。
ヒルベルトは苦々しい表情をし、フェイトは驚きで目を丸くし、
クリーグは肩を落としていた。

「何があった、ハラオウン?」

「事情がよくわからないんですけど・・・」

フェイトは困惑したようにそう言うと、ついさっきあったヒルベルトと
ゲオルグのやり取りをミュンツァーに話しはじめた。
フェイトの話を聞いている最中、徐々にミュンツァーの表情が厳しくなる。
フェイトが話し終えると、ミュンツァーは大きくため息をついてから
ヒルベルトの方へ顔を向けた。

「ヒルベルト。 お前がウチに来た時にゲオルグの過去については話したはずだな。
 そしてこうも言ったはずだ。”アイツの過去を茶化すのはやめろ”とな。
 忘れたとは言わせんぞ」

「覚えてますよ。 すいません、つい・・・」

「つい、で済むか。 ったく、余計なことしやがって」

「すいません」

ヒルベルトはそう言ってミュンツァーに向かって深く頭を下げる。

「頭を下げる相手が違うだろ」

「・・・すぐ謝ってきます」

「今はそっとしておいたほうがいいと思いますけどね。
 俺が思うに、今ヒルベルト2尉が行く
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