暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
そして、英雄達は殺し合う
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は変わった。悪いほうじゃなくて、とびっきりに良いほうにね」

そんな言葉を儚げに言って、セイは儚く笑った。

「彼は、レン君はココロを取り戻そうとしてる。それはいいことだと思うけど、そのやり方は決してやってはいけないことだ。今の彼のやり方だと、誰もが不幸せになってしまう。それは絶対に避けなくてはいけないことだと、僕は思うな」

「………………………………」

再び沈黙が場を支配する。

二人の前方の茂みが、風も吹いていないのにガサリと揺れる。

そこから葉を掻き分けて現れるのは、瘴気のような漆黒の霧を身に纏う《冥王》の成れの果てにして、ヒトとして擦り切れ、ボロボロになったモノ。

「さぁ、彼を、彼に関わるすべての存在を救おう」

セイが言う。それに《宵闇の軍神》と呼ばれた男は────

「………あぁ」

答えた。










「………やるッスね」

激しい風の激突の余波で不安定になっている気流のど真ん中で、《夕闇の瞬神》ウィルは静かに口を開いた。

その両手には、もう次弾のクナイが収められている。

「まさか爆風で風を相殺するとは、さすがの俺でも思わなかったッス」

その呟きを聞き届けたかのように、風が横薙ぎに振り払われた。

その向こうから現れるは、純白の白衣(びゃくえ)、緋色の緋袴(ひばかま)、そして────

灼熱の炎のごとき過剰光を刀身に纏わせ、もともと長かった刀身を倍近く肥大化させた大太刀を構えたカグラだった。

太刀から放出される熱気による膨大な上昇気流の影響か、緋袴がバタバタとはためかされている。

「《煉王聖火(れんおうせいか)》」

「……心意技ッスか。さすがはレン君の隣に並んでることはある」

「私も驚きました。まさか【神聖爵連盟】に《付与効果師(エンチャンター)》がいるとは。あれは全ての心意属性を会得せずにはできないものですからね」

カグラの言葉に、ハッハッハッ、とウィルは屈託なく笑う。

「そんな大層なモンじゃないッスよ、これは。確かに俺は全心意属性を扱えるッスが、結果的に質も量も中途半端。手数も威力もそこそこなモンになっちまったんスよ」

「ほう。しかし、練度はかなりの物だと見ましたが」

顔を一ミリも動かさずに放ったカグラの言葉に、ウィルはひょいっと肩をすくめた。次いで、へらっと笑う。

「お世辞と思って受け取っとくッスよ。さて────」

刹那。

ヴン、と空気が振動するような音とともにウィルの手が煙るように動いた。そこから放たれる左右合わせて十の鉄の塊。

会話中というのは、内容に集中力を裂かねばならないので、戦闘中でも分かりやすい隙だ。

加えて────

「五行輝鉄為(ごぎ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ