暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十四話 闇の書の覚醒
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こんなにも残酷な事があるなんて考えたくなかった。

 サプライズプレゼントを持ってはやての病室にいたのは勝ちたいと思ってまだ勝ててない人であり、私達が追う人。

 闇の書の守護騎士達。

 私となのはの姿を認めると同時にシグナムがいつでも動けるように僅かに腰を沈め、ヴィータはなのはを睨む。

「なのはちゃん、フェイトちゃんどないしたん?」
「ううん、なんでも」
「ちょっとご挨拶を、ですよね」
「はい」

 病室の空気が少し重くなってしまったけど、出来るだけ自然にふるまう。
 シグナムも体勢を元に戻しながらも足はわずかに開き、その気になればいつでも動けるようにしてる。

 そんな様子を見ながらクロノ達に念話をしようとするけど、通じない。

「皆、コート預かるわ」

 シャマルの言葉に皆で返事をしながらコートを渡しながら何度も試すけど回復しないということは

「念話が通じない。
 通信妨害を?」

 コートをかけながら隣に来たシグナムに小声で問いかける。

「シャマルはバックアップのエキスパートだ。
 この距離なら造作もない」

 シャマルの指に輝く指輪を確認する。

 このままだとクロノ達に連絡が出来ない。

 だけど同時に一番意外なのは、はやて自身の事でもある。
 シグナム達が傍にいるという事ははやてが闇の書の主なんだろうけど、はやてが私達の事を知らなかった事。

 アルフが前回の戦いの時に守護騎士の一人から「主はご存じない」って言ってたという話があったけどそれは本当なのかもしれない。

 でもここでは動けない。
 シグナム達も動く気はないみたいだけど、下手に動いたらアリサとすずかを巻き込んでしまう。

 そのままシグナム達に警戒しながら、はやて達と過ごす。

 そして、辺りが暗くなってきたのではやての病室を後にする。
 その時にシグナムとシャマルが見送るためと言って病院の入り口までついてくる。

「「さようなら」」
「また来てね」

 アリサとすずかの挨拶に手を振りながら見送るシャマル。
 その横でシグナムが私を見た後に別の方向に視線を向けた。

 シグナムの視線の先には病院から少し離れたビルの屋上。
 その意図に頷き、なのはと共に病院を後にする。

 帰り道のの途中で

「アリサ、すずか、ゴメン。
 私となのは、少し用があるからここで」
「ん? そうなの?」
「そっか、それじゃまた明日ね」
「うん。また明日」
「バイバイ、アリサ、すずか」

 少し胸が痛むけどアリサとすずかに嘘を言い、別れてシグナムが見ていたビルの屋上に向かう。

 辿り着くと既にシグナムとシャマルが待ち受けていた。




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