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星の輝き
第3局
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人の右手を順番に掴み、指先を眺めた。
二人の指先を真剣に眺める塔矢は、三人が視線を交し合っていることにまったく気がつかなかった。
―この二人の人差し指のツメは明らかに磨り減っている…。特に進藤のほうは間違いない。毎日のように碁石に触れている手だ。
「…もういいだろ、なんだよ。」
ヒカルはそう言いながら手を引いた。
「…君達はプロになるの?」
「プロって囲碁のプロ?」
あかりがかわいく首をかしげると、アキラは真剣な表情でうなずいた。
「だははははっ!オレ達がプロォ!?マジで言ってんの!?囲碁のプロなんて考えたことねーよ!とーや、おまえ案外おもしろいキャラだなー。」
―容赦ないですねーヒカル…
―確かこんな感じだったと思うんだよなあ…
「塔矢くんは、プロになるつもりなの?」
「なるよ。」
あかりの問いに、アキラはまっすぐうなずいた。
「フーン…、囲碁のプロってもうかるの?大会とかで優勝すると賞金もらえるんだよな。」
「タイトル戦の賞金なら、名人戦が二千八百万、棋聖戦が三千三百万で…」
「おいおい、タイトル戦っていくつあるんだよ。全部勝ったりするといくらもらえるんだ。」
「全部で八冠、賞金総額は一億二千万くらいさ。」
アキラの言葉に、改めて驚くあかり。

―さて、ここからが正念場だな。
と、内心気合を入れるヒカルだった。
「んー、ならちょっとプロになって、ちょこちょこっとタイトルのひとつふたつ取るのも悪くないなぁ。」
ヒカルのその言葉を聞いて、アキラの表情が硬くなった。
「…ちょっとプロになって、ちょこちょこっとタイトルのひとつふたつ取る…?その言葉、プロの人すべてを侮辱する言葉だぞ!」
―うわー、聞いてたとおり本気で怒っちゃいましたねー。
―だ、大丈夫かな…、塔矢くん怖いよー。
目を真ん丸くして驚く佐為と、ちょっと涙目になりつつあるあかりだった。
「…キミが碁打ちのハズがない!碁を打ってきたものがそんな暴言吐くものか。」
―いや、以前のオレは碁打ちじゃなかったからなー、うん。
―ああ、もうっ。
内心あっけらかんとしているヒカルに頭を抱える佐為だった。
「ちょっとプロになる?棋士の高みを知っているのか!?忍耐・努力・辛酸・苦渋…。果ては絶望まで乗り越えて、なおその高みに届かなかったものさえいるんだぞ!。」
「父の傍らでそんな棋士たちを見てきた。それを君は…。」
「ボクもそれを覚悟で努力してきた。小さいころから毎日毎日何時間も碁を打ってきた。どんなに苦しくても碁を打ってきたんだ。」

―悔しい、悔しい。なぜボクはこんなやつのことを気にしていたんだろう。あのときの指摘も偶然だ。あの時は初心者と侮り、ボクが油断していたんだ。

「今から1局打たないか。」
―――来た!!!
「ボクはプロになる
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