第八話 オーブ近海の死闘
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
マシンガンでも有効打を与えることは可能だった。
『地上用の兵器がこのディープフォビドンに勝てると思うなよ』
見た目だけで判断した一機のパイロットがゲルググF型は地上用だと思い込み、高機動戦で翻弄しようとする。しかし、
「甘く見てもらっては困る!」
F型は水中戦を可能とさせた兵器であり、武装面でも水中で使えるものが殆どだ。マシンガンも当然その一つであり、水中での抵抗を威力を損なわない限界まで下げている。
結果、マシンガンは弾速を落とすことなく(勿論、あくまで水中を基準とした速度であり、地上での速さと比べれは遅々たるものだが)、あっさりとディープフォビドンを捉える。
『な、馬鹿な!?』
『こいつ、水中用MSなのか!?』
TP装甲を持たないディープフォビドンはあっさりと撃たれたところが拉げ、動きを止める。もうこの一機は迂闊に動くことは出来ない。何故なら、水中という戦場では破損した段階で水圧という敵が襲い掛かってくるからだ。実際にはそんなことはなく、ディープフォビドンはゲシュマイディッヒ・パンツァーによって理論上は耐圧を防いでいる。しかし、そうであったとしても人間として当たり前に存在する恐怖の感情で止まってしまうのだ。そしてその結果、止まってしまったが故に彼の運命は決まった。
「止めだ!」
シールドスパイクを構え、一気に接敵し、殴り飛ばす。その機動性はディープフォビドンと比べても遜色ないものと言えた。そして、殴られたディープフォビドンはそのままゲルググの速射砲によってコックピットを撃ちこまれ海の藻屑となっていった。
『く、この野郎ォ!!』
仲間をやられたことに怒り、一機のディープフォビドンがフォノンメーザー砲を放ち、一気に近づいて銛―――ニーズヘグでレイ機を突き刺そうとする。躱すことは可能だろうが迂闊に下がるわけにはいかない。何故なら、もう一機は冷静に状況を判断し、接近戦を仕掛けてきている一機の後ろから狙いを定めているからだ。
「チィッ―――!?」
スパイクシールドで受け止めるものの、シールドを貫き、左手ごと持っていかれそうになるが、ギリギリの所で後ろに下がる。
『貰った!!』
後ろに構えていた一機がフォノンメーザー砲を放つ。右手に持っていたマシンガンが撃ち抜かれ、大きく体勢を崩し、隙を見せる。
『死ねえェェッ―――!!』
再びニーズヘグを構え、今度こそとばかりに貫こうと構えるが、
「まだだ!まだ終わるわけにはいかない!!」
左手を前へと向け、速射砲を撃つ。僅かによろめいた瞬間、崩していた体勢を戻し、右手の速射砲も放ち、両手で一気に撃ち続ける。
『じょ、冗談じゃ……』
全弾撃ち尽くす勢いで撃ち、実際に全弾撃ち尽くしきった。コックピットだけで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ