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SAO─戦士達の物語
キャリバー編
百二十四話 パーティメンバー!
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「手伝うって……何かあったか?」
「うん。《光弓シェキナー》が欲しくて」
「おま……こっち来てまだ二週間だろうがよ、シェキナーって伝説級(レジェンダリィ)だぞ?てか今の弓じゃ何か問題なわけ?」
「うーん、リズの作ってくれた弓も良いんだけど……、やっぱり、もっと射程ほしい」
しれっとそんな事を言った猫少女に、リョウは頭痛を抑えるように額に手を当てる。
と、丁度二人の後ろでその弓の弦を張り替えていたリズが、苦笑気味に言った。

「あのねぇ、そもそもALOで弓って言ったら、魔法未満、剣以上の距離で使う武器なの!魔法よりロングレンジで使うのなんて、シノンだけだから!!」
「出来れば200は射程が欲しいんだけどね」
そう言いながら少女は肩をすくめる。
涼人としては最早苦笑するしかない。全く、我が妹分ながら飛んでもない少女だと思う、と言うのも、この少女……まぁ今更言うまでも無くシノンだが、彼女がGGOからの気分転換がてらALOに来たのは、リョウの言うように二週間前なのだが、その一日目で、シノンはALOに置いては使いやすいとは言い辛い弓の勘を掴んでしまった。

それどころか、通常シルフとショートボウで起動戦を展開するか、重装と腕力耐久に優れた種族でバリスタのような砲台になるのがセオリーなALOで、最も視力に優れた種族であるケットシーで、射程の長いロングボウを使うと言う聞いた事のない選択に出た。
キリトなどはその選択を聞いた際、まぁ無理だろうが、と苦笑してしたが、シノンが実際どの魔法も超えるレンジからMobが近寄るより前に一方的に矢を命中させるのを見て、唖然としていた。言うまでも無く、リョウも同様だ。
今まで幾つも無軌道無茶をくりかえしてきたこの二人が何故これほど驚くのか分かりやすく説明すると、ALOの弓にはシステム上のサポートを持って命中精度の高い、銃で言う所の“有効射程”と、実際に矢が飛ぶ限界の“最大射程”が有るのだが、この有効射程外の最大射程に矢を飛ばす場合、其処にシステムアシストは入らず、射手は弓の飛ぶうえでの重力や風の影響を、自身で調整して矢を打たねばならない。

本来そんな事は不可能と言うのがリョウ達の……と言うかALOプレイヤー全体の認識だったのだが、シノンはと言うと、それを苦もなくやってのけたのである。
まぁ、ある意味では当然とも言えよう。何しろシノンは同一の物理エンジンを使っている《ザ・シード》パッケージの一つ、GGOで、対物狙撃銃をつかって、まさしくその、風や重力の影響を調整しながら、実に2000メートル近い距離の長距離狙撃をずっとし続けていたのだから。
と……

「に、二百って……それもうエリア制限なしなら一方的にハリネズミですよね……」
「えぇ、そのつもり」
リョウの後ろに座っていたシルフの少年が
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