第三話 厄介な状況
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空しく二機は颯爽と宇宙へ駆けていく。
「こちらレイ。ミネルバ、応答を願う」
『こちらミネルバ。どうぞ』
「シンとマーレが奪取された三機を追いに行った。俺とルナマリアも追撃に出る」
すると、通信を受け答えしていたメイリンではなく、グラディス艦長が答える。
『ふう、わかったわ。これよりミネルバも追撃に出ます。レイ達は一旦下がって。バックパックを外していることは聞いているわ。シンとマーレの二人なら撃墜されることはないはずよ』
「……了解した。聞いたな、ルナマリア。ミネルバに戻るぞ」
『分かったわ。それにしても、いったいどこの誰よ。あいつ等?』
「さあな、少なくとも表立った部隊でないことは確かだろうさ」
そう言って、レイとルナマリアはバックパックの換装をしなおす為にミネルバに帰還する。その後、彼らが避難場所を求めてきたカガリやアスランともめ事になるのは、また余談であろう。
◇
「シン、来るぞ。油断するな!」
奪取されたセカンドシリーズを追う為にシンのインパルスはフォースシルエットに、俺も肩に掛けていたビームバズーカを構えるものの、奪われた新型の追撃は不可能となっていた。
『くそッ、こいつら!!』
敵はステルス性を重視しているであろうダガータイプとガンバレルを装備した旧式然としたMA。腕はMAを除いてさっきの奴等より下だが、厄介さではこいつらの方が上だった。
「この、ナチュラル風情が!劣等種の分際で刃向ってくんじゃねえぞォ!!」
右手首の速射砲で牽制すると同時に左手のビームバズーカを放つ。しかし、ダガータイプの機体はガードを固めながらビームバズーカの射線から逃れる。そして、後ろのもう一機がダガーナイフのようなものを投げ、MAのガンバレルが二機の僚機の隙を塞ぐかのように放たれる。
「群れなきゃ、何も出来ないナチュラル共がァッ!?」
ダガータイプとMAは連携によって隙を補い合っていた。ステルス性を重視していることもあり、回避性能も高く、こちらも攻撃を殆ど受けていないとはいえ厄介な相手だと言える。
『マーレさん!このままじゃ―――』
「分かってる!」
敵の狙いは奪った新型の奪取。その為に足止めとして敵は防御重視で戦っているのだろう。だが、それだけが目的じゃない。狙いのもう一つはおそらくこちらのエネルギー切れだ。
VPS装甲はPS装甲より効率が良いとはいえ、エネルギーを食う。ビーム兵器も同様だ。だからこそ、ゲルググには実弾兵装もあり、インパルスはデュートリオンビームによる補給を可能としているのだ。
「バズーカはあと二発……」
エネルギーの消費を避けるためにENパックを使うビームバズーカと実弾の速射砲を使っているものの、
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