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【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん!
【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん! 四話 〜激しいスキンシップ〜
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お願い……」
「あ、そうですね。わかりました」
 セイレーンの歌声が響き渡る。それにカリンは聴き惚れていたが、喋るだけでも精一杯な俺は、彼女の歌声の美しさをあまり耳で感じ取ることができなかった。
 しかし、良い声なのだということは、なんとなく分かる。
 そして、感じられなくとも、肉体の傷はどんどん癒されていった。
 ようやくまともに歌を聴けると思った時、完治したのを確認したセイレーンは、歌うのをやめた。残念。
「……こんなに綺麗な声があるって……今まで想像もできなかったアル……」
「私はあんまり披露したくないのですけどね。その、自信がないから……」
「なぁーに言ってるアルか!? こんな歌声、今まで聴いたことないアルヨ!」
「でも、私、昔……海で船を見かけるたびに、船員の方々に歌を聴かせていたんですけど……その、歌い終わるとみんな、どこかへ行っちゃうんです」
「んー? もしかしてそれってギリシャ神話にある、難破の」
「な、なななななな、ナンパなんてしてません! ただ、歌を聴いてもらいたかっただけなんです! ……でも、気づいたら船ごとなくなるくらいだから、よほど聴くのが嫌だったんだって……」
「あ、そ、そうアルか……」
 あぁ、セイレーンって、自分がたくさん人殺してるって、気づいてないのか。なんか可哀想な奴だな……と思いながら、二人の会話を聞いていた。
 しかし、そんな歌声を聴いていて、大丈夫なのだろうか? 体は回復したけど、なんか少し不安だ。
 カリンに殴り飛ばされたのであろうオロチも、セイレーンの癒しの唄で回復していた。ずんずんとこちらへ向かってくるが、今度のターゲットは俺ではないらしく、カリンの目の前で止まった。
「ぐおォン!」
 オロチは鳴いて、カリンに頭を突き出し、そのまま迫り出した。
 カリンは両手でそれを抑えつつも、体自体は後ろへ下がっていく。
「ちょ、ちょっと! なんアルか?」
「あはは、きっと、オロチなりのスキンシップだよ。俺もさっきされてた。よかったな、仲良くなれそうで」
「冗談じゃないネ! 私まで殺されるアルヨ!」
「大丈夫大丈夫、カリンは俺と違って強いから」
「お兄さん、死にかけといてよくそんな呑気なこと言え――」
 カリンの頭が、オロチの口の中に消えた。
 んー! んー! というカリンの叫び声。四肢をめちゃくちゃに振り回すも、すでに肩まで咥えられているので、殴る力はない。足にも力が上手く入らないのか、蹴っても大したダメージになっていないようだ。
 そういえば、オロチは女好きだったな。性的な意味ではなく、捕食対象として。
「カ、カリンさん! どうしよう、お兄さん……」
「とりあえず、お前もモンスターなんだから助けてやれ!」
「はい! やれるだけやってみ……ギヒャアッ!」
 オロチ
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