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とある星の力を使いし者
第69話
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「あなたには、前回の学会で恥をかかされましたからねぇ。
 借りは返させていただきますよ?
 全世界に放映される競技場でね。
 一応手加減はするつもりですが、そちらの愚図な失敗作共があまりに弱すぎた場合はどうなってしまうのかは、こちらも分かりませんねぇ。」

はっはっはっー、と笑いながら立ち去っていく男の先生。
対戦相手の学校だったのか、と上条は大雑把な感想を抱いた。
正直、無能力(レベル0)な上条としては、今さら失敗とか落ちこぼれとか言われたところで大したダメージにはならない。

「違いますよね。」

その時、ポツリと、小萌先生は言った。
たった一人で。
誰に言うまでもなく。
俯いたまま。
ぶるぶると震える声で。

「みんなは、落ちこぼれなんかじゃありませんよね?」

ただでさえ小さな肩が、より小さくするように。
今の罵倒は、全て自分のせいで皆に降りかかったものだと告げるように。
彼女はそっと空を見上げて、何かをこらえるように、じっと動きを止めていた。
上条はちょっとだけ黙り、振り返る。
そこには彼のクラスメイト達が無言で立っていた。
上条当麻は、彼らに確認を取るために言う。

「はいはい皆さーん、話は聞きましたね?
 ついさっきまで、やる気がないだの、体力が尽きただのと、各々勝手に喚いていましたが。」

上条は片目を閉じて言う。

「もう一度だけ聞く。
 テメェら、本当にやる気がねえのか?」




麻生は依然と体育館の壁に寄りかかっていた。
しかし、眼だけは違った。

(なるほど、そっちがその気なら。)

麻生は決意する。
今回くらいは真面目に競技に参加してやる、と。

(格の違いを見せてやるよ。)

そう静かに自分の胸に誓う。
珍しく麻生も怒っていた。
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