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SAO─戦士達の物語
GGO編
百十九話 これからもよろしく
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「着いたぁ!」
詩乃の住むアパートの前に車を止めた涼人は運転席から飛び出すと同時に走り出す。色のあせた階段を駆け上り、記憶に有る詩乃の部屋へと走ると、インターホンを押した。

「おい!詩乃居るか!」
切羽詰まりながら怒鳴るようにドアの前で怒鳴る。と、中から呆れたような声が響いた。

『ちょ、ちょっと声大きいよりょう兄ちゃん、何焦ってるの?』
「…………はぁ」
その声に、何となく安堵したリョウは大きく息を吐いた。どうやらやはり思い違いだったらしい。

『悪いな、新川疑ったりしてよ……』
内心で知り合いの少年にそんな謝罪をしつつ、涼人は息を整える。と、扉があいた。

「あぁ、いや悪い悪い。急いで来たもんだからよ、ちっとテンションあがったままで大声になっちまった」
後ろ手に頭を掻いたリョウに苦笑すると、不意に詩乃は体を震わせる。

「って、だから寒いんだよね……入って入って」
「おう。おっじゃまー」
部屋の中は流石に暖房が入っていて温かく、先程まで走っていた身体が火照るのを感じて涼人は上着を脱ぐ。と、台所の上にある二つのカップが、彼の眼に入った。

「お、準備良いな……って空かよ」
「りょう兄ちゃんのじゃないって。さっきまで新川君が来ててね。その時出したの」
「へぇ……新川が……ね……」
自分よりも先に彼が来ていたと聞いて、涼人は一瞬反応した物の、既に帰っているとあっては別に何が有る訳でも無い。

「りょう兄ちゃんは?お茶飲む?」
「ん?あぁ。頼む……なぁ詩乃」
「何?」
台所に背を向けるように背の低いテーブルの前に座りながら、涼人は上着を脇に置いて聞いた。

「新川、なんか言ってたりしたか?お前に」
「何か……って?凄かったとか、そう言うのなら言われたけど」
「あぁ、いやそう言うのじゃ無くてな……いや、やっぱ何でもねー。何もないなら良いや」
「そう……?」
若干訪ねるような声でそう返して来た詩乃の言葉を最後に、その会話は終わりだった。
だが……

シャキーン♪

「ん、メールか」
『変な着信音……』
詩乃が後ろでそんな事を思って居るなど露知らず、涼人は携帯を取り出すと着信したメールを呼び出す。

『菊岡からか』
送信者はズバリ、この依頼を涼人に寄越した張本人だった。メールボックスを開くと同時、涼人は目を見開いた。

『は、ぁ……?』
メールの内容はこうだ。

sb:気をつけるんだ
本文:先ずは大会終了をねぎらいたい所だけど、早く本題に移れと言われそうだし、また今度にするよ。

さて取り敢えずなんだが、キリト君の連絡で今其方に警察官が向かわせている。また、彼の話から死銃氏のプレイヤーの本名も分かった。一応連絡しておくよ。


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