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なのは一途のはずがどうしてこうなった?
第三十四章 されど病人でございます
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クアットロは姉妹とミウラ・ケイタの相対を一部始終見ていた。
距離をとっていたクアットロにエリアサーチの魔法が来た時には戦慄が走ったのをクアットロは未だに恐怖を覚えている。
最優先事項の回収の次に優先度が高かったのは、ミウラ・ケイタの捕獲であった。
それに、8人割いた。
だが、ミウラ・ケイタの練度は8人を合わせても届かなかった。
戦い方の基本姿勢は防御とカウンター。
それに、連携の甘さを突いた反撃。
攻撃力はどう見ても良くてBランク程度。
なのに、姉妹たちの受けたダメージは大だ。
相手の力を利用した攻撃方法は、ミステリアスであった。
それをまともに受けたのはトーレだった。
右腕を捻って折られたのだ。
威力のある拳を当てる為にひねり回転を加えた右拳を、ミウラ・ケイタは両手でトーレの右拳を回転方向へ捻った。
螺子の回転が当たるはずの的を外し、それ以上回転しないはずの回転を加えられた事により、折れたのだ。
それでも、トーレは即座に膝蹴りで反撃したのだが。
肋骨は折れたはずよねぇ。
表情ひとつ変わらずにやはり、即座に反撃をしたけど。
動きも、何も攻撃を受けた後でも何も変わらなかったわね。
それにしても、戦うご主人様はただひたすらに美しかったわねぇ。
不謹慎だけど、アレを見ていた時の私は、もう、ヌレヌレのグチョグチョだったわ。



「珍しい訪問者……!」
「いやぁ、まあ。治癒役だよ。僕は……。元気そうだね。ケイタ」
「重症っても、腕と肋骨の怪我が酷いのと魔力使い過ぎの疲労ってくらいで」

ユーノのことは失念していた。
そういや、司書の仕事で情報整理に必要な魔法以外にも治癒系もいけるんだった。

「それでも十分重症だよ。事件の詳細、ケイタの戦闘記録を盗み見したけど、アレどういうこと?」

なまじ可愛い顔して怒るんだもの。
あと、盗み見するなよ。

「はて、何のことやら……」

ユーノは見舞い品のりんごを手に取り、果物ナイフで皮を剥き始めた。
こいつ、長期戦にするつもりだ。

「8人相手に勝てるわけないけどさ。消耗戦に持ち込んでたよね……。お互いに損害を出し続ける状態に持ち込んでさ。自分の命までも消耗品として扱って。この後は誰か頼んだって……」

ぞぶりと果物ナイフがりんごに刺さる。

「格好つけて。8人がケイタを甘く見ないように相手を傷つけて。自分の負傷を隠して。不死性でも強調したかったの?」
「……」

綺麗に切り分けられていく、りんごは八等分だ。

「仲間を失った時に冷静で対処できるとでも思ってたの?」

ジド目というやつだ。

「なのは達の取り乱し方は結構酷かったんだよ? 流石に任務中は抑えてたけど。気が気じゃないって感じでさ。それに、仇を取るって
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