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同士との邂逅
十七 感謝のことば
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(泣きっ面に蜂ってこういう事をいうんだっけ…)
直立不動のまま横島は頭の片隅でそう思った。



何もかもがめちゃくちゃだった。

家探しされたらしくあちこちに色々なモノが落ちている。それらは何れも壊され、使い物にならなくなっていた。箪笥の中身は全て引っ繰り返され、ベッドのシーツはズタズタに引き裂かれ、食器は全部粉々に叩き壊されている。
ペンキがばら撒かれ、机や椅子の脚はぽっきり折られ、窓ガラスは打ち壊されていた。

あまりの惨状に愕然としていた横島は、ようやく玄関からよろよろと足を踏み入れる。
足の踏み場もないほどたくさんの破損器物が散らばっている。それらを避けてふと柱を見るとそこも傷だらけになっていた。細い線が幾重にも重なっているため刃物で傷つけたのは明らかである。

そして奥の壁を目にした横島は、その瞬間ぐっと喉が詰まった。


[化け狐][死ね][消えろ]…醜悪な落書が壁いっぱいに書きなぐられている。その光景に、過去の記憶が横島の脳裏にフラッシュバックした。

机に、そしてアパートの扉に、書きなぐられた[死ね]やら[人類の敵]やら[裏切り者]…。怨嗟の込められた落書。

込み上げてくる何かを、唾を飲み込むことでどうにか抑える。代わりに傍の柱にガンッと拳を叩きつけ
た。



「……………ちくしょう……ッ」











散乱する破片を、ひとつひとつ拾い上げる。

どれくらいそうしていただろうか。気づけば空高くあった太陽は既に西へ傾いていた。
しゃがみ込んでひたすら床だけを見つめる。そうして、以前屋敷でナルトに言われた「アパートに侵入して暴れられると面倒」という言葉を思い出した。同時に、最近アパートの周囲をうろうろしていた人達の顔が横島の脳裏に思い浮かぶ。


アパートの近くをうろうろしていたのは、横島を取り囲んだあの里人達。何もし掛けてこなかったので気にしなかったのだが、まさかこういった暴挙にでるとは思わなかった。
今すぐそいつらを探しだしてやりたいが、ナルトがそれを許さないだろう。どんな事があっても里人に手を出すなと、横島は彼に言い含められている。

侵入者が里の人間だとわかる。わかっていて何も出来ない自分が歯痒い。
昨日は買い物も済んでいたので横島は一日中屋敷にいた。ナルトも徹夜だと言いながら暗部任務へ赴き、アパートへは戻らずそのまま下忍として里に戻って行った。
おそらくその日に決行したのだろう。ペンキの渇き具合から見てもそう判断できる。
せめてもの救いは食料品を全て屋敷に持ち込んでいた事だ。もしココに置いていたら更に悲惨な状況になっていた。

アパートのドアは抉じ開けられている。靴底の跡が残っていたので蹴り開けたのかもしれない。
物置
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