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同士との邂逅
十七 感謝のことば
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には、道化を被ることで誰も信じられなくなった自分の二の舞にはなってほしくなかった。


「……横島くん、君ももっと甘えていいんじゃないですか?」
「…………え?」
背中を向けたまま言ったハヤテの言葉に戸惑う。
相変わらずごほごほと咳き込みながら差し出された皿を、横島は礼を言って受け取った。作った料理を手早く皿の上に載せ、ハヤテは再び横島の真向かいの席に座る。

「気にしているその人が横島くんの大切な人だとわかりました。だからといって自分を責めても何も解決しません…ごほっ。見た感じ、横島くんは十七・十八でしょう?まだまだ子どもだと思いますけどね」
だからそんなに頑張って大人になろうとしなくてもいいんですよ、と黙々と皿の上の料理を口に運ぶハヤテを横島は思わずまじまじと見た。
十七歳でありながら世界の命運を託された事のある彼の心に、その言葉が深く滲み渡る。


「……ありがとう、ございます…」


顔を見られないように俯いて、自分の皿に載せられた食べ物を口にした。おいしいとも不味いともいえない料理。
どこか苦いそれを無理に口の中へ運びながら(ナルトもこんな感じで食べてたんかな)と横島は思う。



口いっぱいに広がる苦味が、彼の涙腺を余計に緩ませた。

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