第3話
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「リ、リアス先輩! 一寸、一寸待ってください!」
「私に恥をかかせるの?」
いや、恥とかじゃなくて! こんなのがいいわけないじゃないか! 猛れ、僕の理性! 奮え、僕の理性! 諦めるな、理性! もっと熱くなれ、理性! 今こそ現状を打破できる力を僕に! いくぞ!
「リアス先輩!!」
「キャ!」
理性を振り絞り、腹筋だけで上体を起こしてリアス先輩を抱きしめた。
「ごめんなさい・・・・・・僕にはこんな形で先輩を抱くなんてできません」
リアス先輩の胸がダイレクトに当たっているが、そんなことは関係ない。
「急にどうしたんですか? 何があったんです? 僕にできることなら力になりますよ、約束します」
僕がそう言うと再び、魔法陣が現れそこから銀髪のメイドさんが出てきた。
「こんなことをして破談に持ち込むつもりですか?」
メイドさんはリアス先輩を確認すると、淡々と言った。
「こんなことでもしないと、お父様もお兄様も私の意見を聞いてくれないでしょう?」
「だからと言って、女性としようとするのを知れば、旦那様もサーゼクス様も悲しまれます」
じょ、女性・・・・・・・・。ああ、初対面の人から女性扱いされるのは慣れているが、この状況で女性扱いされるなんて・・・・・・・・・。涙が出そうだ。リアス先輩にお兄さんがいたとかどうでもいい。僕はベットに倒れた。今日は枕を涙で濡らしそうです。
メイドさんの言葉を耳にして、リアス先輩は一気に不機嫌になった。
「私の貞操は私のものよ。私が認めた者に捧げて何が悪いのかしら? それにナギは男よ。女の子に見えるけど」
最後は余計です・・・・・・・・。「女の子に見えるけど」はいりません。
「それは失礼しました。女性にしか見えませんでしたので。それはともかく、グレモリ―の次期当主がむやみに肌を晒すものではありません。ただでさえ事の前なのですから」
メイドさん、リアス先輩の上着を拾ってかける。そして、メイドさんの視線が俺に移った。
「はじめまして。私は、グレモリー家に仕える者です。グレイフィアと申します。以後、お見知りおきを。そして、先ほどは失礼しました」
メイドさん――グレイフィアさんが丁寧なあいさつと共に、僕に謝罪してきた。
「構いませんよ、慣れてます。慣れてますから・・・・・・・・」
「ところで、グレイフィア、あなたがここに来たのはあなたの意志? それとも家の総意?・・・・・・それともお兄様の意志かしら?」
半眼でいかにも不機嫌ですといった表情のリアス先輩。なんか新鮮だ。
「全部です」
グレイフィアさんは即答した。リアス先輩は諦めたように深くため息をつく。
「そう。兄の|
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