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くらいくらい電子の森に・・・(誰も死ななかった編)
第五章
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私たちは、人間が作り出したんでしょう?
なんで……なんで『欠陥品』がいるの!?


……この子、手と、足がない!


引きちぎられたような、惨たらしい四肢の傷から絶え間なく滴る、淀んだ血…
濁りきった瞳と、ボロ布みたいに引きちぎられた、メイド服……
……いやだ……この子、もとは私とおなじ「メイド型」だ……

私と同じメイド型が、手足と服を引きちぎられて、酷い目に遭わされている……!

なんで、こんな酷いことをするの……?
私と同じ型だから、わかる。
この子はただ、一生懸命やってただけなのに


にんげんは、なぜこんなことするの……?


「なんだこれ……人間ダルマか……!!」
上から、ご主人さまの声が降ってきた。……心配して、見に来てくれたんだ!
「ご主人さま!」
「ああ。ごめん、怖い思いしたな。…すごいな、その技」
「そんな…標準装備です。…そ、それより!人間ダルマって何ですか!」
「…一種の都市伝説なんだけど…あっ危ない!ビアンキ!」
はっとして、『それ』に目を戻した。……この子、炎の障壁に、体をもたれさせている!
炎にすり寄せた体半分が、0と1の煙を立ち昇らせる。…怖い…分解されながら、それでも炎の壁にすり寄るのをやめてくれない!
「やめて!体が…体が分解されちゃいます!」

────────おねがい…話を…話を聞いて────────

「ビアンキ、何かやばいんだろう。引き上げるよ」
「…はい!……あ
 ご主人さま、大変です…!」
ビアンキが、震える声で伝えてきた。
「…どうした、ビアンキ!」
「この子、ご主人さまが探していた xxxx-xxxx-xxxx-xxxx です!」
「なに!?」
この、ウイルスにまみれたぼろぼろのMOGMOGが!?… xxxx-xxxx-xxxx-xxxx を探せとは言われていたけれど…。駄目だ、これ以上は独断で進めちゃいけない気がする。僕は携帯を引き寄せ、紺野さんに掛けた。
『――見つかったのか?』
紺野さんは、すぐに応答してくれた。
「あの、見つかったんだけどその…大変なことに!」
『落ち着いて話せ。…どんな状態で見つかった?』
「あぁごめん。その、ウイルス感染がひどい状態なんだ。普通じゃないくらい」
『そうか。…よし、すぐにハルをよこす。俺もそっちに向かう。どこに住んでるんだお前』
「えっ、なんで来るの」
『奴はアクセスポイントをコロコロ変える。だから、場所が特定できたら速攻で追いかけないと間に合わん!』
「追えばいいじゃん。余計な寄り道しないでさ」
『兵隊は多いほうがいいだろうが!いいな、住所メールで送れよ』
「えー!…もう夜中だよ、今からどこに行けって…あっ」
…有無を言わさず電話を切られた。…兵隊。
「…
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