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ALO:フェアリィ・ダンス〜両刃の剣と天駆ける龍〜
世界樹へ《3》 黒いエンドフレイム、聖なる双刃
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るが、その強さは兄の陰斗でも時折敗北するほどのモノであった。そのセンスが、このALOでもいかされているのだろう。


 もちろんセモンとコハクも負けてはいない。戦っていくごとに、SAO時代のカンが取り戻されていくのを感じる。


「そろそろ翅が戻ってきたはずですよ」

 着陸してから三十分ほどたった時、グリヴィネが言った。背中に翅を出現させてみると、出発前の様にまばゆい光を放っていた。

「よし!飛行開始と行くか!!」

 セモンが羽を広げたその時――――――


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」


 
 少し遠くで、プレイヤーの悲鳴が聞こえた。


「!?」
「なに!?」
「……行ってみましょう!」


 翅をたたんで、悲鳴の聞こえた方向に走る。

 そこでは。


 漆黒の消滅光(エンドフレイム)を放ったプレイヤーが、再びポリゴン片をかき集めて復活し、漆黒の翼を広げて暴れまわる姿だった。妖精の翅だったはずの翼は、龍の様な双翼に変貌していた。服も肌も浅黒いものに代わり、髪も漆黒になる。腰の下あたりからは、長い黒尾が伸びる。


「あ、あれは…!?」
「カーソルが…!」

 
 驚くべきは、復活したプレイヤーの頭上。先ほどまでは鮮やかな緑色だったカラーカーソルが、モンスターを示す赤色に変化していた。


「モンスター化!?」
「ハザードと同じ…!」


 モンスター化したプレイヤーは、握っていた大剣で――――これも変化と同時に禍々しい漆黒のものに変わっていた――――、先ほどまで仲間だったプレイヤーを切り裂いた。

 そのプレイヤーのHPは0になり、赤いエンドフレイム…そのプレイヤーはサラマンダーだったようだ…をまき散らして消えた。

 しかし。剣から漆黒のオーラが飛び出すと、エンドフレイムを包んで真っ黒なものに変えた。さらに先ほどと同じようにポリゴン片が集まって、エンドフレイムが爆散。漆黒のモンスター・プレイヤーが姿を現す。

 カーソルに視線を合わせると、モンスター名が現れる。

 
 《Slave(スレイヴ)-()player(プレイヤー)》――――操り人形。


 スレイヴ・プレイヤーたちは、恐らくパーティーだったのであろうほかのプレイヤーを襲い始めた。彼らにHPを0にされたプレイヤーは、また新たなるスレイヴプレイヤーに変貌する。

 ついに近辺のプレイヤー約十五名ほどがすべてモンスター化してしまった。

 残るは、セモン、コハク、グリヴィネの三人。《索敵》などのスキルでは識別できない範囲にいたはずなのに、スレイヴ達は三人に気付き、各々の武器を構えて襲ってきた。

「なんだこいつら!!」
「プレイヤーが…モンスターに!
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